FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米国の利上げが想定程進まないとの思惑から下げ幅縮小

NYダウは47.12ドル安の30483.13ドル、ナスダックは16.22ポイント安の11053.08ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言を控えた警戒感や景気後退懸念に売りが台頭し、寄り付き後は下落した。議長は上院銀行委員会証言での質疑応答でインフレ鈍化を強く公約すると繰り返すと同時に大規模な金融引き締めによる景気後退の可能性を否定しなかったため、利上げが想定程速やかに進まないとの思惑も浮上し、買戻しが強まり、主要株式指数は上昇に転じた。さらに、バイデン大統領がインフレ対処の一環としてガソリン税免除を議会に提案したため一段と買われた。VIX指数は30.19から28.95へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の低下がドルの重し

ドル/円は、東京市場で一時136.71円と1998年10月以来約24年ぶりの高値を付けたあとだけに海外市場では利食い売りなどが先行した。米10年債利回りが3.12%台まで大幅に低下すると、全般ドル売りが活発化し一時135.65円と日通し安値を付けた。ただ、クロス円の上昇につれた買いが入ると136.30円付近まで下げ渋った。360ドル超下落したNYダウが一時上げに転じるなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会で議会証言を行い、『継続的な利上げは適切』『FRBはインフレ率2%への回帰に強くコミット』などと発言した。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見と同様の姿勢を示した。議会証言後の質疑応答では『米経済のソフトランディング(軟着陸)を目指しているが、達成は非常に困難』『現在、リセッション(景気後退)の可能性は高まっていない』などと語った。市場では『警戒していたほどタカ派的な内容ではなかった』との声が聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、欧州株安や欧州長期金利の低下を受けて、日本時間夕刻に一時1.0469ドルまで売られたものの、NY市場では買い戻しが優勢となった。米長期金利が大幅に低下したことを背景に、対欧州通貨中心にドル安が進むと、一時1.0606ドルと日通し高値を付けた。 

 

NY原油先物市場は反落:ベイデン政権がガソリン価格の高騰対応で売り優勢

NY原油先物市場は101.53ドル-109.76ドルのレンジ相場となった。アジアタイムにバイデン米政権はガソリン価格の高騰に対応し、免税期間の導入を議会に求める方針と伝わり、原油先物は時間外取引から急落した。バイデン氏はガソリン価格高騰と物価高への対応に追われるなか、燃料価格押し下げに向け主要企業に圧力をかけている。アジア市場の序盤に109.76ドルまで買われたが、まもなく反落し、ニューヨーク市場の序盤にかけて一時101.53ドルまで一段安となった。ただ、米長期金利の低下を受けて下げ止まり、通常取引終了後の時間外取引では主に105ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は3日続落:米国株の持ち直しが金の上値を圧迫

NY金先物市場は1824.50-1850.30ドルのレンジ相場となった。米国株が大幅反落してスタートし、安全資産の金に買いが入る場面もあったが、米国株が上昇に転じ、金の買いは続かなかった。パウエルFRB議長がインフレ高を抑制するために利上げを継続する意向を強調したことも金の上値を圧迫したロンドン市場の序盤にかけて1824.50ドルまで売られたが、ドル高が一服したことから、ニューヨーク市場の序盤に1850.30ドルまで反発した。ただ、戻り売りの興味も残されており、米長期金利は低下したものの、伸び悩んだ。通常取引終了後の時間外取引では1840ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場は反発:米景気悪化懸念から買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.16%低い(価格は上昇)3.04%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.12%低い3.16%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが景気悪化を招くとの懸念から、米国株が下落すると安全資産とされる米国債に買いが入った。

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