FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国市場はジューンティーンス独立記念日振替で休場

株式市場、NY原油先物市場、NY金先物市場、米国債券市場は休場

 

NY外国為替市場:NY市場休場のため大きな方向感は出なかった

ドル/円は、黒田東彦日銀総裁が岸田文雄首相との会談後に、『急速な円安の進行は企業の経営計画に不確実性をもたらし好ましくないと申し上げた』と明らかにしたうえで、『為替市場の動向に注視し、政府と連携し適切に対応していく』と発言すると、一時134.50円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは根強く、一時135.14円付近まで持ち直した。もっとも、NY市場に限れば狭いレンジ取引に終始した。米国市場がジューンティーンス独立記念日の振替休日で休場となったため、市場参加者が減少し大きな方向感は出なかった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州市場ではセンテノ・ポルトガル中銀総裁やカザークス・ラトビア中銀総裁の発言を受けてユーロ買いが目立ったものの、NY市場に入ると伸び悩み、一時1.0498ドル付近まで下押しする場面があった。なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は『7月に0.25%の利上げを実施し、中期的なインフレ見通し次第では9月により大きな利上げ幅が適切になる』との見解を改めて示したほか、『ユーロ加盟国間の借入コストの格差に言及し、金融分断のリスクを未然に防ぐ必要がある』と述べたが、ECBの分断化防止策の仕組みや適用の条件などについて具体的な内容は明らかにしなかった。 

 

仏国民議会選挙ではマクロン大統領続投も議会運営は前途多難

19日に行われたフランス国民議会選挙の決選投票では、マクロン大統領を支持する中道の統一会派アンサンブルの獲得議席が過半数に届かなかった。反マクロンを掲げて選挙戦を戦った左派の統一会派『新人民環境社会連合(NUPES)』とルペン氏が率いる極右政党・国民連合が大きく議席を伸ばした。アンサンブルは共和党の連立参加や閣外協力を求めるとみられるが、共和党は今のところ協力を否定している。共和党の協力を求めることで、マクロン大統領の二期目の政権運営は右傾化が予想される。共和党の協力が得られない場合、法案毎に異なる政党の支持を求める不安定な議会運営を余儀なくされる。物価高騰による生活苦が解消されたタイミングや大統領の支持が回復したタイミングで、議会の解散・総選挙に打って出る可能性もある。フランスの政治安定は崩れ、マクロン改革の推進力低下が避けられない。

 

ECBの債券スプレッド制限策:ユーロ相場に影響

欧州では前週16日、ラガルドECB総裁がユーロ圏の各国財務相に対し、域内の比較的財政の弱い国の借り入れコストが過度に上昇したり、上昇が急だったりする場合には、ECBの新たな危機対策ツールが稼働すると語った(ブルームバーグ)。債券スプレッドが一定の水準を上回って拡大する場合や、相場の動きが一定の速度を超える場合には、この新ツールが発動する可能性があるという。インフレ懸念などによるイタリア国債の金利急上昇(債券価格は急落)と、ドイツ国債などとのスプレッド(金利差)拡大に対処したものだ。7月21日のECB理事会に向けて準備を進めるとされるが、今後の実効性や具体化で期待が高まるとユーロ高、即効性や効果に疑念が生じるとユーロ安の要因となり得る。

 

四半期末のポートフォリオ調整や期末の特殊需給焦点

今週は内外の市場で6月30日にかけて、4-6月期の四半期末を迎える。期末要因として、各種機関投資家によるポートフォリオ調整や欧米市場などでの特殊需給が焦点になる。現在の4-6月期は米国債市場で、金利上昇と債券価格の下落が加速されてきた(時価ベースで保有の米債が目減りの投資家も)。期末調整により、基準の資産構成比率に対して下振れとなった米債の『買い足し』が見られると、米債価格の上昇と米債金利の低下、ドル安の要因となる。同時に今期は日米ともに株価が大幅安なっている。ポートフォリオのリバランス調整などにより、日米株ともに『買い足し』が発生すると、日米株は短期的に上昇する。為替相場では安全逃避通貨であるドルが全般的に売られ、対ドルで欧州通貨や資源国通貨、新興国通貨が上昇。クロス円取引でもリスク選好により、対円でこうした通貨が上昇となる可能性もある。期末の特殊需給については世界的に信用不安や債務不安、資源高が意識されるなか、ドル資金の確保や資源決済に向けたドル調達の需要増加が注視される。

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