FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:良好な雇用統計受け積極的な利上げを警戒した売り

NYダウは348.58ドル安の32899.70ドル、ナスダックは304.16ポイント安の12012.73ポイントで取引を終了した。寄り付きは下落した。朝方発表された5月雇用統計で非農業部門雇用者数が39万人の増加と、増加幅が市場予想を上回ったことで連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げが警戒された。長期金利が上昇したことで、割高感が意識されやすいハイテク株を中心に売りが加速した。主要株式指数は終日軟調に推移した。VIX指数は24.72から24.79へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:良好な5月米雇用統計受けドル買い優勢に

ドル/円は、米労働省が発表した5月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比39.0万人増と予想の32.5万人増を上回ったことが分かると円売り・ドル買いが先行し、一時130.98円と5月9日以来の高値を付けた。その後の下押しも130.80円付近にとどまるなど、底堅く推移した。なお、市場では『5月9日に付けた2002年4月以来の高値131.35円がレジスタンスとして意識されている』との声が聞かれた。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するメスター米クリーブランド連銀総裁はこの日、CNBCに出演し『一番の問題は高インフレ』『今後2回の会合では0.50%利上げの方向』と述べたほか、『インフレ低下しなければ、9月会合でも0.50%の利上げを支持。インフレ低下の証拠あれば0.25%の利上げを支持』との考えを示した。 

 

ユーロ/ドルは、予想を上回る米雇用者数の増加を受けてユーロ売り・ドル買いが出ると、一時1.0704ドルと日通し安値を付けた。その後1.0752ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると1.0711ドル付近まで押し戻された。

 

NY原油先物市場は3日続伸:米雇用統計発表後に買い強まる

NY原油先物市場は115.23ドル-120.46ドルのレンジ相場となった。昨日の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫統計(5/27時点)で原油在庫の大幅な取り崩しが続いたことでも示唆されたように、需給の引き締まりが意識されやすい状態だった。欧州連合(EU)がロシア産原油の輸入を9割削減する方向で動いていることも、原油相場の支援となっている。5月米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を上回ったこと、中国経済の回復が期待されていることから、ニューヨーク市場で買いが活発となった。供給不安も消えていないことから、通常取引終了後の時間外取引でじり高となり、一時120.46ドルまで買われている。 

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は、1849.70-1878.60ドルのレンジ相場となった。昨日は支援要因となったドル安の動きが巻き戻され、ドルの代替資産とされる金の相対的な価値低下や、ドル建て金価格の割高感から売りが優勢となった。予想を上回る米雇用者数の増加で米金利が上昇したことも、金利がつかない資産である金を買う動きを後退させた。アジア市場の序盤に1878.60ドルまで買われたが、米雇用統計の発表を控えていることやユーロの伸び悩みを受けて利食い売りが増えた。5月米雇用統計発表後に米長期金利が反発したことから、売りが強まり、ニューヨーク市場の中盤にかけて1849.70ドルまで下落。通常取引終了後の時間外取引では、1850ドル台で推移した。

 

米国債券市場は下落:良好な雇用統計受け金融引き締め観測から売り優勢

米国債円市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)2.67%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い2.93%で終了した。5月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ると、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進めるとの観測が改めて強まり債券売りを誘った。

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