FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:FOMC議事要旨の内容が想定内だったことを好感

NYダウは191.66ドル高の32120.28ドル、ナスダックは170.29ポイント高の11434.74ポイントで取引は終了した。寄り付きは下落したが、その後上昇するも5月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表を控え、様子見姿勢から上昇幅は縮小した。議事要旨では、大部分の当局者が今後2回の会合でも0.5%の利上げが必要だとの認識で一致していたことが明らかになった。積極的な引き締め継続姿勢が示された一方で、タカ派姿勢への警戒を強める内容ではなく、安心感から上げ幅を拡大した。足元で売りが強まっていた小売りやハイテク銘柄にも買いが入り、相場の上昇をけん引した。VIX指数は29.45から28.37へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の上昇でドル買い優勢

ドル/円は、市場予想を下回った4月米耐久財受注額の発表直後こそ126.80円付近まで弱含んだものの、その後は徐々に下値を切り上げた。米10年債利回りが2.70%台から2.76%台まで上昇すると一時127.50円の高値まで反発した。安く始まった米国株式相場が持ち直したことで、投資家のリスク志向改善を意識した買いも入った。なお、5月3日-4日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では『大半の参加者が次回以降2回の50bp利上げを支持』『FRBは迅速に中立金利水準に移行する必要がある』などが明らかになったが、総じてパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がFOMC会合後の記者会見で述べていた内容と近く、新味に乏しかったとの判断から相場への影響は限られた。 

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)金融安定報告書やパネッタECB専務理事の発言を受けて、ECBが金融政策の正常化を加速させるとの思惑が後退するなか、NY勢の参入後もユーロ売りが先行し、一時1.0643ドルまで値を下げた。もっとも、その後はユーロ売りの流れも一服した。米国株の上昇などを支えにリスク選好の買い戻しが入り、1.0690ドル台まで下値を切り上げる場面もあった。 

 

NY原油先物市場は反発:原油需要の高まりが下支え

NY原油先物市場は109.23ドル-111.68ドルのレンジ相場となった。米国が夏休み期間に入ることで、引き続きエネルギー需要の高まりが原油先物の支えとなった。もっとも、ドルが堅調に推移したことで、ドルで取引される原油先物は割高感となり上値が抑えられた。なお、本日発表された米エネルギー省(EIA)週間石油在庫は原油の取り崩し幅は予想より大きかったが、ガソリンの取り崩し幅は少なく、まちまちの結果だった。ロンドン市場で111.68ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて一時109.23ドルまで売られた。ただ、その後は米国株高を意識して下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に110ドル台後半で推移した。

 

NY金先物市場は5営業日ぶりに反落:ポジション調整売りで下げ幅拡大

NY金先物市場は1838.70-1866.70ドルのレンジ相場となった。米金利の低下が止まり、ドルに買い戻しが入ったことで、ドルで取引される金先物は割高感から5日ぶりに反落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が発表される前に、ポジション調整の売りも入っていたことで下げ幅が大きくなった。アジア市場で1866.70ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて1838.70ドルまで売られた。通常取引終了後の時間外取引では1850ドル台で推移した。 

 

米国債券市場は上昇:米景気減速への懸念から買いが先行

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)2.48%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い2.74%で終了した。4月米耐久財受注額が予想より弱い結果となり、米景気減速への懸念から安全資産とされる米国債は買いが先行した。もっとも、その後は米株高を受けて伸び悩んだ。5年物国債入札の結果が『やや低調だった』と受け止められたことも相場の重しとなり、10年物国債利回りは前日比で上昇に転じる場面も見られた。

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