FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:景気後退とオンラインと小売りの業績悪化懸念

NYダウは48.38ドル高の31928.62ドル、ナスダックは270.82ポイント安の11264.45ポイントで取引を終了した。5月の製造業や4月住宅関連指標が軒並み悪化、景気後退入り懸念も再燃し、寄り付き後は下落した。オンライン小売りなどの一部企業が高インフレなどが影響し消費センチメントの急速な悪化を警告し業績下方修正していることが投資家心理に影響し下げが加速し、一時510ドル超安まで下げ幅を拡大した。しかし、引けにかけ、金利が低下し1カ月ぶり低水準となると、ディフェンシブ株に見直し買いが入り下げ幅を縮小した。NYダウは値ごろ感からの買いも見られプラスに転じた。VIX指数は28.48から29.45へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避から米長期金利低下でドル弱含み

ドル/円は、米国株式相場がハイテク株を中心に軟調推移となったことで、リスク回避目的の売りが先行した。また、この日発表された4月米新築住宅販売件数などの米経済指標が軒並み市場予想より弱い結果となり、米長期金利が急低下したことも売りを促した。NYダウが510ドル超安、米10年債利回りが2.71%台まで低下するなか、一時126.36円と4月18日以来の安値を更新した。もっとも、その後は米金利の低下が一服し、NYダウも下げ幅を徐々に縮小して引け前にはプラス圏に浮上した。株価や金利動向をにらみながら、ドル円も126.90円付近まで下値を切り上げた。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は本日の講演で金融政策に言及しなかった。

 

ユーロ/ドルは、昨日と同様にラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁など複数のECBメンバーからタカ派的な発言が相次いだため、総じて底堅く推移した。米長期金利の低下によるドル売りが進んだ影響もあり、一時は1.0749ドルと4月25日以来の高値を更新。引けにかけても高値圏での推移が続いた。 

 

NY原油先物市場は反落:原油需要減少観測から伸び悩み

NY原油先物市場は108.61ドル-111.43ドルのレンジ相場となった。NY午前は欧州通貨を中心にドル安になったことなどもあり、原油先物相場は強含む場面があった。しかしながら、市場予想を下回る米経済指標が相次いで発表されると、景気減速懸念もあり徐々に上げ幅を吐き出し、反落して引けた。アジア市場の終盤にかけて108.61ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて111.43ドルまで戻した。ただ、その後は原油需要の減少を想定して伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では110ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は4日続伸:米国株安と米金利低下を意識した買い

NY金先物市場は1847.60-1869.10ドルのレンジ相場となった。本日発表された米国の経済指標が軒並み市場予想を下回ったことで、ドルが多くの通貨で軟調に推移した。ドルで取引される金先物は割安感から買いが優勢となり、2週間ぶりの高値で引けた。また、米国株安・米金利低下となったことも、安全資産とされる金先物の支えになった。アジア市場で1847.60ドルまで売られたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて1869.10ドルまで買われた。ただ、ニューヨーク市場の終盤にかけて利食い売りが増え上げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では1860ドル台で推移した。

 

米国債券市場は大幅反発:計景気への警戒感高まり買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは大幅反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.11%低い(価格は上昇)2.49%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%低い2.75%で終了した。4月米新築住宅販売件数などの経済指標が予想より弱い結果となり、米景気への警戒感が高まると安全資産とされる債券需要が強まった。10年物国債利回りは一時2.7166%前後と約1カ月ぶりの水準まで低下する場面も見られた。 

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