★米国株式市場はまちまち:米景気の後退懸念を受けた売り優勢
NYダウは8.77ドル高の31261.90ドル、ナスダックは33.88ポイント安の11354.62ポイントで取引を終了した。中国人民銀行の都市封鎖で傷んだ経済支援を目指した予想外の利下げを受け、世界経済の鈍化懸念が緩和し、寄り付き後は上昇した。しかし、国内経済が来年にも景気後退入りするとの懸念を受けた売り圧力が強まり、大きく下落に転じた。ただ、本日は大規模なオプションが満期を迎えテクニカルな取引も見られ、荒い展開の中、前日まで連日で年初来安値を更新していただけに、引けにかけては短期的な戻りを期待した買いが入り上げに転じた。 ナスダック総合指数は小幅下落となった。VIX指数は29.35から29.43へ上昇した。
★NY外国為替市場:米長期金利が低下したことがドルの重しに
ユーロ/ドルは、中国人民銀行(中央銀行)が住宅ローンなどの目安となる金利の指標を引き下げたことで、同国景気の回復期待が高まるとアジアや欧州の株式相場が上昇した。投資家のリスク志向が改善し、欧州市場では一時1.0598ドルまで買われる場面があった。前日公表された欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(4月14日分)で、ECBが7月にも利上げに踏み切るとの見方が強まっていたことも相場の支援材料となった。ただ、NYの取引時間帯に入ると徐々に弱含んだ。前日の高値1.0607ドルをバックに戻りを売る動きが出たほか、週末を控えたポジション調整目的の売りが出て一時1.0533ドルと日通し安値を付けた。
ドル/円は、対ユーロなどでドル高が進んだことを受けて円売り・ドル買いが先行すると、一時128.24円付近まで値を上げたものの、日本時間夕刻に付けた日通し高値128.30円が目先レジスタンスとして働くと失速した。一時は2.87%台まで上昇した米10年債利回りが2.77%台まで低下したことも相場の重しとなり、127.59円付近まで下押しした。もっとも、アジア時間に付けた日通し安値127.53円がサポートとされると引けにかけては買い戻しが入った。なお、黒田東彦日銀総裁は主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後に記者会見を行い、『足もとは輸入物価が上昇。(物価安定目標に掲げる2%に到達について)安定的な推移にはならず、続かない』などと発言した。『マイナス金利を含む現行の長短金利操作(YCC、イールドカーブ・コントロール)政策を軸とした強力な金融緩和政策を粘り強く続け、経済の回復をしっかりサポートする』との考えを改めて示した。
★NY原油先物市場は続伸:供給不安が買いを強めた
NY原油先物市場は108.13ドル-111.04ドルのレンジ相場となった。中国・上海のコロナ規制緩和によるエネルギー需要増への思惑や、欧州連合(EU)が目指す『ロシア産原油の禁輸』を背景とした供給不安が買いの勢いを強めた。アジア市場で108.13ドルまで下げたが、中国の金融緩和が改めて好感されたことによってロンドン市場で110ドル台を回復。ニューヨーク市場の終盤にかけてかけて111.04ドルまで上げ幅を拡大した。通常取引終了後の時間外取引では110ドル台で推移した。
★NY金先物市場は小幅続伸:米国株が軟調推移すると買い優勢に
NY金先物市場は1830.60-1847.80ドルのレンジ相場となった。堅調スタートの米国株を受け、安全資産とされる金は売り戻しが先行した。しかしながら1830ドル手前からは切り返し、前日比プラス圏まで上昇した。米国株主要指数がマイナスに沈み、そのまま下げ幅を拡大したことで投資家の資金が金に向かった。アジア市場の終盤にかけて1847.80ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて1830.60ドルまで反落した。ただ、利食い売りは一巡しており、通常取引終了後の時間外取引では1840ドル台で推移した。
★米国債券市場は続伸:リスク回避の債券買いが優勢に
米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)2.56%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い2.78%で終了した。インフレが世界経済や企業業績に及ぼす悪影響が懸念される中、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。
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