FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:米企業決算の失望や弱い米経済指標受け売り優勢

NYダウは236.94ドル安の31253.13ドル、ナスダックは29.65ポイント安の11388.50ポイントで取引は終了した。米小売り大手の低調な決算が相次いだことを受けて、インフレが企業収益の重荷になるとの懸念が強まった。この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ったことも相場を押し下げ、一時470ドル超下落した。もっとも、前日に今年最大の下落を記録した反動で押し目買いなどが入ると、指数はプラス圏を回復する場面もあった。VIX指数は30.96から29.35へ低下した。

 

NY外国為替市場:欧米株安でリスク回避の円買い

ユーロ/ドルは、欧州時間に公表された欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(4月14日分)を受けて、ECBが7月にも利上げに踏み切るとの見方が強まると全般ユーロ買いが先行した。5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や4月米景気先行指標総合指数など、この日発表の米経済指標が軒並み予想より弱い内容だったことが分かるとドル売りも活発化した。前日の高値1.0564ドルを上抜けて、一時1.0607ドルまで上値を伸ばした。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.66まで低下した。

 

ドル/円は、前日の米国株相場の急落や本日の欧州株相場の下落を背景に、リスク回避の円買いが先行した。米10年債利回りが一時2.77%台まで低下したこともドル売りを促し、一時126.97円と4月27日以来の安値を付けた。予想を下回る5月米フィリー指数なども相場の重しとなった。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。節目の127.00円や4月27日の安値126.95円が目先サポートとして意識されたほか、米10年債利回りが低下幅を縮めたことが相場を下支えし、127.84円付近まで持ち直した。 

 

NY原油先物市場は反発:米長期金利の低下やユーロの反発から買い優勢

NY原油先物市場は103.24ドル-110.16ドルのレンジ相場となった。米経済指標の弱さを受けて経済活動の停滞懸念が高まり、原油相場は売りが先行した。一時105ドル前半まで大きく値を下げた。ただ安く始まった米株が下げ渋ると、リスク回避の巻き戻しの動きが波及して原油も買い戻しが優勢になった。上昇し始めると、需給ひっ迫につながる『中国のコロナ規制緩和』や『欧州連合(EU)が検討するロシア産原油の禁輸』が再び意識され、買いの勢いが増した。ニューヨーク市場の序盤にかけて103.24ドルまで下落したが、米長期金利の低下やユーロの反発を意識した買いが強まり、通常取引終了後の時間外取引で110.16ドルまで反発した。 

 

NY金先物市場は反発:弱い米経済指標受け買い優勢に

NY金先物市場は1808.40-1848.20ドルのレンジ相場となった。為替でドルが軟調に推移し、割安感が生じたドル建て金は朝方から買いが先行した。5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想を大きく下回ると、安全資産とされる金に資金が向かった。その後に発表された弱い米経済指標も支えとなり、一時1848ドル台まで上値を伸ばした。アジア市場の終盤にかけて1808.40ドルまで売られたが、欧米市場では米長期金利の低下を意識した安全逃避的な買いが観測された。換金目的の売りは一巡した。ニューヨーク市場の中盤にかけて1848.20ドルまで上昇し、通常取引終了後の時間外取引では1840ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:リスク回避の動きから債券買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%低い(価格は上昇)2.58%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い2.84%で終了した。インフレが世界経済や企業業績に及ぼす悪影響が懸念されて、投資家心理が悪化した。相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。 

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