FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:世界経済の成長減速懸念後退で買い優勢

NYダウは431.17ドル高の32654.59ドル、ナスダックは321.73ポイント高の11984.52ポイントで取引を終了した。中国上海市の都市封鎖解除期待、国内の4月小売売上高や欧州の良好な経済指標を受け世界経済の成長減速懸念が後退し、寄り付き後は上昇した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がイベントでインフレが低下するまで取り組みを継続することを公約、経済が想定どおり展開したら0.5%の利上げも選択肢になると発言し金利が上昇すると警戒感に、いったん上げ幅を縮小した。しかし、ほぼ想定内の内容にとどまり、イベント終了とともに買いが再燃し、引けにかけて上げ幅を拡大した。VIX指数は27.47から26.10へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドルは米経済指標結果に振れる展開

ドル/円は、4月米小売売上高は市場予想通りの結果となったものの、前月分が上方修正されたことが好感されて円売り・ドル買いが先行した。4月米鉱工業生産指数が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時129.78円と日通し高値を付けた。ただ、その後発表された5月NAHB住宅市場指数が予想を下回ったことが分かると129.07円付近まで上値を切り下げた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米紙WSJ主催のイベントで『インフレ低下の確証を得られなければ、FRBはさらに積極的な行動を検討する必要がある』『インフレが明らかに低下している証拠を確認するまで、金融引き締めを継続する』『必要であれば中立水準以上に金利を引き上げることを躊躇しない』などと発言した。米長期金利の上昇とともにドル買いが小幅に入ったものの、反応は限定的となり、大きな方向感は出なかった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に伝わった欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの発言を受けて、ECBの大幅利上げ観測が高まると一時1.0556ドルと日通し高値を更新した。ただ、そのあとはパウエルFRB議長の発言内容を見極めたいとの思惑から様子見ムードが広がり、1.05ドル台半ばで値動きが鈍った。なお、クノット・オランダ中銀総裁はテレビ番組で『7月に0.25%の利上げを実施すべきだが、大幅利上げの可能性も現時点で排除すべきではない』とし、『論理的な次のステップは0.50%になるだろう』と述べた。 

 

NY原油先物市場は5日ぶりに反落:利食い売りが相場の重し

NY原油先物市場は111.75ドル-115.56ドルのレンジ相場となった。需給ひっ迫への警戒感が高まるなか115.50ドル台まで買いが強まり、本日も3月24日以来の高値を更新した。ただNY昼頃からは一転し上値が重い展開になった。足もとでの上昇幅が大きかっただけに調整売りも入り易かった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国ベネズエラに対し、バイデン政権がエネルギー制裁の一部を緩和するとの報道も相場の重しとなった。ニューヨーク市場の序盤にかけて115.56ドルまで一段高となったが、利食い売りが増えたことによってニューヨーク市場の取引終盤にかけて弱含みとなり、通常取引終了後の時間外取引で111.75ドルまで売られている。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利や株高で上げ渋る

NY金先物市場は1811.80-1834.80ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで弱含み、割安感が生じたドル建ての金は買いが先行した。もっともその後、米長期金利が上昇基調を強めると金利が付かない金に売り戻しが入り、引けにかけて上昇幅を縮小した。ロンドン市場で1834.80ドルまで買われたが、米長期金利の上昇や株高を受けてニューヨーク市場の終盤にかけて売りが強まり、上げ幅は縮小した。通常取引終了後の時間外取引で1811.80ドルまで下落している。 

 

米国債券市場は下落:米国株高やパウエルFRB議長発言を嫌気した売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)2.68%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%高い2.98%で終了した。4月米小売売上高の結果を受けて売りが先行したほか、米国株相場の上昇が相場の重しとなった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『必要であれば中立水準以上に金利を引き上げることを躊躇しない』と述べたことも債券売りを誘った。 

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