FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は大幅反落:米金利上昇を嫌気した売り優勢

NYダウは1063.09ドル安の32997.97ドル、ナスダックは647.17ポイント安の12317.69ポイントで取引を終了した。1-3月期非農業部門労働生産性が1947年来の大幅低下となったほか、新規失業保険申請件数が予想外に増加するなど冴えない経済指標を受け、寄り付き後は下落した。連邦準備制度理事会(FRB)の引き締めペースでの高インフレ抑制は困難との懸念が強まり金利が再び上昇に転じ10年債利回りが3.1%に達すると、引けにかけた更なる売り圧力となった。VIX指数は25.42から31.20へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米金利上昇でドル全面高

ドル/円は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で『0.75%利上げは積極的に検討しているものではない』と発言したことを受けて、急激な米利上げ観測は和らいでいた。ただ、本日のNY市場では『インフレ抑制のためFRBが金融引き締めを進めることに変わりはない』との見方が盛り返し、米10年債利回りが3.1057%前後と2018年11月以来約3年半ぶりの高水準を更新した。ドル全面高の様相が強まり、前日の高値130.38円を上抜けて一時130.55円まで上値を伸ばした。米株式市場では前日に今年最大の上げ幅となったNYダウが急反落し、一時1300ドル超下げる場面があった。

 

ユーロ/ドルは、昨日のNY市場では『FRBは市場が想定するほど大幅な利上げは検討していない』との見方からドル売りが出たものの、本日のNY市場では『FRBがインフレ抑制のため、金融引き締めを積極的に進める』との見方が盛り返し、ドル買いが優勢となり、一時1.0493ドルと日通し安値を更新した。なお、パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事は『インフレ見通しを受けて経済支援策を徐々に縮小できるとしても、7月に利上げを実施するべきではない』と述べた一方、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は『今年利上げを行う予定であり、利上げ幅や時期については6月会合で議論』などと語った。 

 

オセアニア通貨は軟調だった。米長期金利の急上昇を嫌気してダウ平均が1300ドル超下落するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが集まった。豪ドル/米ドルは一時0.7077米ドル、豪ドル/円は92.29円まで下落したほか、NZドル/米ドルは0.6393米ドル、NZドル円は83.40円まで値を下げた。

 

NY原油先物市場は続伸:供給不安根強く買い優勢

NY原油先物市場は106.45ドル-111.37ドルのレンジ相場となった。欧州連合(EU)が昨日にロシア産石油の年内輸入禁止を表明したことで需給ひっ迫懸念が高まるなか、一時111ドル台に乗せる場面があった。ただ、米国株が総崩れとなると上値が重くなった。ニューヨーク市場の中盤にかけて111.37ドルまで買われたが、株安やドル高を意識した売りが入ったことで反落し、一時106.45ドルまで売られた。ただ、供給不安は解消されていないため、まもなく反転した。通常取引終了後の時間外取引では108ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は反発:株安を意識した買い優勢に

NY金先物市場は1872.30-1910.70ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を受けてドル安が進んだことを背景にドル建てで取引される金価格の割安感が意識され、一時1910.7ドルまで上昇した。ただ、海外市場でドルが全面高となると一転して1870ドル台まで失速した。ニューヨーク市場の序盤に1910.70ドルまで買われたが、米長期金利の上昇やドル高を意識した売りが強まり、1872.30ドルまで反落した。ただ、その後は株安を意識した買いが入っており、通常取引終了後の時間外取引で1881ドル台まで戻している。 

 

米国債券市場は下落:米FRBの金融引き締めを意識した売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)2.69%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.11%高い3.04%で終了した。インフレ抑制のため米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進めるとの見方が盛り返し、債券売りが広がった。利回りは一時3.1057%前後と2018年11月以来約3年半ぶりの高水準を付けた。 

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