FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は大幅下落:米FRBの金融引き締め加速への警戒感

NYダウは981.36ドル安の33811.40ドル、ナスダックは335.36ポイント安の12839.29ポイントで取引は終了した。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が大幅利上げを示唆したことを受けた投資家心理の悪化で、寄り付き後は下落した。終日、年内の利上げペース加速を警戒した売りが続き、引けにかけて下げ幅を拡大した。一時1000ドル超下げた。VIX指数は22.68から28.21へ上昇した。

 

NY外国為替市場:黒田日銀総裁発言報道で乱高下

ドル/円は、欧米株価が下落すると、欧州通貨やオセアニア通貨に対してリスク回避のドル買いが先行した。円に対してもドル買いが入った。『黒田東彦日銀総裁は米コロンビア大学での講演で、円が下落しても積極的な金融緩和を継続する必要があると発言した』との報道が伝わると、円売り・ドル買いが加速した。アジア時間の高値128.69円や前日の高値128.70円を上抜けて、一時129.11円まで上値を伸ばした。ただ、黒田総裁の発言について、当該記事を報じたメディアが『円が下落との部分はなく、円についての言及はなかった』と訂正すると、一時128.44円付近まで下押しした。米国株相場が軟調に推移したことも相場の重石になった。なお、米財務省は声明で『イエレン財務長官と鈴木俊一財務相は為替市場を含む金融市場の動向を協議し、為替レートに関してはG7やG20の従来のコミットメントを維持する重要性を強調した』と明らかにした。 

 

ユーロ/ドルは、米10年債利回りが低下に転じたことを受けてユーロ買い・ドル売りが先行すると1.0845ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.0852ドル手前で失速。米国株相場の下落に伴うリスク回避のドル買いが強まると、一時1.0771ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.33と2020年3月以来約2年1カ月ぶりの高値を付けた。ただ、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁がCNBCに対し『資産購入プログラム(APP)は7-9月期初めに終了する公算が大きい』『年内利上げの可能性はかなり高い』と発言すると売りが一服し、1.07ドル台後半で下げ渋った。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反落:需要後退懸念や欧米株安を嫌気した売り

NY原油先物市場は101.06ドル-104.22ドルのレンジ相場となった。国際通貨基金(IMF)による世界経済の成長率見通し下方修正や、中国での新型コロナウイルス感染再拡大から上海などでロックダウンが実施されていることを受け、経済停滞によるエネルギー需要の後退観測が浮上した。原油相場の押し下げ要因となった。アジア市場で104.22ドルまで買われたが、株安を警戒して伸び悩み、ロンドン市場の序盤に101.22ドルまで反落。供給不安は消えていないことから、ニューヨーク市場の序盤に103ドル台前半まで戻す場面があった。しかしながら、欧米株安を嫌気した売りが増えたことによって102ドルを再び下回り、通常取引終了後の時間外取引で101.06ドルまで下げている。 

 

NY金先物市場は4日続落:換金目的の売りに押される

NY金先物市場は1928.00-1957.80ドルのレンジ相場となった。ドルインデックスが2020年3月以来の高水準となる101.33まで上昇するなど、為替市場でドル買いが進んだ。ドル建て金価格の割高感につながり7日以来、2週間ぶり以上の安値1928ドルまで一時売られた。アジア市場で1957.80ドルまで買われた後は伸び悩み、ニューヨーク市場の中盤にかけて1928.00ドルまで反落した。換金目的の売りが増えた。ただ、欧米諸国の株安を受けて1942.30ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に1930ドル台で推移した。

 

米国債券市場は反発:米国株の大幅下落でリスク回避の債券買い

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)2.66%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い2.90%で取引を終了した。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが意識される中、時間外取引では債券売りが優勢だった。ただ、現物の米国株相場が軟調に推移すると相対的に安全資産とされる米国債に買いが入り上げに転じた。

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