FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:決算結果に振れる展開に

NYダウは249.59ドル高の35160.79ドル、ナスダックは166.59ポイント安の13453.07ポイントで取引を終了した。金利の上昇が一段落したほか、ITサービスのIBM(IBM)や消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル(PG)の好決算を好感した買いに、寄り付き後は上昇した。NYダウは終日堅調に推移した。一方、動画配信のネットフリックス(NFLX)の冴えない決算を受けハイテクが売られ、ナスダック総合指数は下落した。VIX指数は21.37から20.32へ低下した。

 

NY外国為替市場:海外市場では利益確定売りからドル/円急落

ドル/円は、アジア時間に一時129.40円と2002年4月以来約20年ぶりの高値を付けたあとだけに海外市場では利益確定目的の売りが優勢となった。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りや、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控えたポジション調整目的の売りも出て一時127.46円と日通し安値を更新した。なお、複数のメディアによると『G20会合でロシア当局者が発言を始めたところ、イエレン米財務長官をはじめ複数の財務担当相と中銀総裁が退席』。イエレン氏は会合にロシア代表が対面形式で出席したことに不快感を表明したもよう。米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、『米経済活動は緩やかなペースで拡大した』『依然として、高いインフレ率と労働力不足が企業の課題』『将来の成長見通しは最近の地政学的展開と物価上昇によって生じた不確実性によって不透明になった』との見解が示された。 

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーから金融政策の正常化に前向きな発言が伝わったことで、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。米長期金利の低下もユーロ買い・ドル売りを促した。カザークス・ラトビア中銀総裁はこの日、『著しいインフレリスクがあり、早ければ7月にも政策金利を引き上げる可能性がある』と述べたほか、ナーゲル独連銀総裁は『性急な利上げには反対』とした上で、『初回利上げは7-9月期になる』との見通しを示した。 

 

NY原油先物市場は小幅に反発:米長期金利低下とドル高一服を好感

NY原油先物市場は99.88ドル-103.96ドルのレンジ相場となった。需要鈍化を懸念した売りが先行した。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫統計(4/15 時点)で原油在庫が-802.0万バレル(前週 +938.2万バレル)と取り崩しへ転じたことが下げ渋りを誘ったものの、反発力は限られた。ロンドン市場で103.96ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて99.88ドルまで下げたが、米長期金利の低下やドル高一服を意識してやや反発した。通常取引終了後の時間外取引では主に102ドル台推移した。 

 

NY金先物市場は続落:換金目的の売りがやや優勢

NY金先物市場は1941.00-1960.90ドルのレンジ相場となった。前日に重しとなった米金利の上昇やドル高は落ち着いたものの、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測による金利先高観は根強く、金を買い戻す動きは強まらなかった。欧米株価が総じて底堅く、ギャップダウンしたネットフリックスが戻せなかったため弱かったナスダック総合以外の主要株価がおおむね上昇したことも、リスク回避資産とされる金を買いにくくした。アジア市場で1941.00ドルまで下げたが、長期金利の低下やドル高一服を意識して反転した。その後、換金目的の売りが入っており、金先物はやや上げ渋る場面があった。ただ、通常取引終了後の時間外取引で1960.90ドルまで買われている。

 

米国債券市場は反発:ポジション調整目的の買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)2.56%で取引を終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%低い2.83%で取引を終了した。このところ急ピッチで利回りが上昇してきたため、ポジション調整目的の買いが入った。20年債入札が『好調』と受け止められたことも相場の支援材料となった。なお、利回りは時間外取引で一時2.9770%前後と2018年12月以来約3年4カ月ぶりの高水準を付ける場面があった。 

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