FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:企業決算の期待とマスク着用義務の撤回を好感した買い

NYダウは499.51ドル高の34911.20ドル、ナスダックは287.30ポイント高の13619.66ポイントで取引を終了した。企業決算への期待に寄り付き後は上昇した。好決算を発表したジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が買われたほか、ナイキやウォルト・ディズニー、3Mなどに買いが入り相場を押し上げた。また、連邦地裁判事が全国的なマスク着用義務化を無効と判断したことを受け運輸保安局(TSA)と疾病対策センター (CDC)が、公共交通機関でのマスク着用義務を撤回したため経済活動再開への期待が一段と強まり、連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げや金利高への警戒感を相殺した。売られていたハイテクセクターでも買戻しが強まり、引けにかけて、主要株式指数は上げ幅を拡大した。VIX指数は22.17から21.37へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢に

ドル/円は、大規模な金融緩和策を継続する日銀と積極的な金融引き締めに動く方針を示す米連邦準備理事会(FRB)の方向性の違いが改めて意識されて、円売り・ドル買いが優勢となった。米10年債利回りが2.9459%前後と2018年12月以来約3年4カ月ぶりの高水準を付けたことも相場の支援材料となり、一時128.97円と02年5月以来約20年ぶりの高値を付けた。市場では『足もとの急速な円安進行を受けて、政府・日銀からは円安けん制発言が相次いでいるものの、効果は薄れ、逆に円売り材料と捉える動きが出てきた』との指摘があった。なお、ハト派として知られるエバンズ米シカゴ連銀総裁はNY経済クラブで『最近のインフレ統計には前向きな展開が一部見られる』と述べた一方、『インフレが再加速すれば、大きな懸念材料』『FF金利はおそらく中立金利を超える水準まで引き上げる必要がある』『FF金利は年末までに2.25-2.50%への引き上げもあり得る』などと発言した。『この発言で同総裁がタカ派に転じたと受け止められる可能性がある』との声も聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。FRBが積極的に金融を引き締めるとの見方からユーロ売り・ドル買いが出た半面、インフレの高止まりで欧州中央銀行(ECB)が金融政策の正常化を早期に迫られるとの観測も根強く、下値ではユーロ買い・ドル売りが入った。

 

NY原油先物市場は5営業日ぶりに反落:ドル高と米長期金利上昇を嫌気

NY原油先物市場は101.51ドル-108.37ドルのレンジ相場となった。世界経済の成長が鈍るとの見通しを受け、原油などエネルギー需要が鈍化するとの見方が台頭した。原油相場の調整を誘った。国際通貨基金(IMF)は2022年の世界成長率見通しを0.8%下方修正し、3.6%とした。原油の供給不安を受けてアジア市場で108.37ドルまで買われたが、ニューヨーク市場ではドル高と米長期金利の上昇を嫌気した売りが強まり、一時101.51ドルまで下落した。その後、米国株高を意識して103ドル台前半まで戻したが、通常取引終了後の時間外取引では102ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は大幅に反落:ドル高と米長期金利上昇を嫌気

NY金先物市場は1945.50-1985.10ドルのレンジ相場となった。昨日3月初旬以来の2000ドル台回復を果たした達成感もあって、ウクライナ情勢を懸念したリスク回避の金買いは一服した。利益確定の売りが優勢となった。2020年3月以来の101台へドルインデックスが上昇するなど、ドル相場の上昇もドル建て金価格の割高感につながり、売りを後押しした。ニューヨーク市場の序盤にかけて1985.10ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の上昇を受けて換金売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で1945.50ドルまで下落した。

 

米国債券市場は続落:米FRBの積極的な利上げ実施思惑から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.13%高い2.59%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い2.93%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)がインフレに対応するため、積極的な利上げを実施していくとの見方から、この日も債券売りが続いた。利回りは一時2.9459%前後と2018年12月以来約3年4カ月ぶりの高水準を付けた。

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