FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:物価が当面高止まりするとの懸念が根強く売り優勢

NYダウは87.72ドル安の34220.36ドル、ナスダックは40.39ポイント安の13371.57ポイントで取引を終了した。3月の消費者物価指数(CPI)が40年ぶり最大の伸びとなったが、コア指数の伸びが予想を下回ったためインフレピークとの見方も浮上し、金利低下で、寄り付き後は上昇した。同時に、燃料や食料品価格が高く、物価が当面高止まりするとの懸念も根強く、さらに、生産者物価指数(PPI)の発表を控え物価高への警戒感が再燃し下落に転じた。また、決算を控えて銀行株が売られ、さらなる相場の重しとなり、引けにかけて売りが加速した。VIX指数は24.37から24.26へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国の過度なインフレ懸念後退でドル売りやや優勢

ユーロ/ドルは、米労働省が発表した3月米消費者物価指数(CPI)は前年比で40年3カ月ぶりの高い伸びを記録したものの、ほぼ市場予想通りだったため過度のインフレ懸念が後退した。米長期金利の低下とともにドル売りが先行し、一時1.0903ドルと日通し高値を付けた。ただ、買い一巡後は一転売りが優勢になった。市場では『インフレの高止まりで、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進める状況に変わりはない』との見方が改めて広がり、ドル買い戻しが進んだ。また、欧米諸国との対立姿勢を強めるプーチン露大統領はウクライナ侵略を正当化し、攻撃の継続を表明した。ウクライナ情勢が一段と混迷を深める中、ロシアと結びつきの強いユーロ圏経済への悪影響を懸念したユーロ売りも出た。一時1.0821ドルと日通し安値を更新した。 

 

ドル/円は、米CPI発表後にドル売りが先行すると一時124.74円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと買い戻しが進んだ。取引終了前に125.40円付近まで持ち直した。 

 

NY原油先物市場は大幅に反発:供給ひっ迫への警戒感強まり買い優勢

NY原油先物市場は94.84ドル-101.35ドルのレンジ相場となった。ロシア産原油の禁輸を含む制裁強化を検討している欧州連合(EU)は、石油輸出国機構(OPEC)との会合で増産を要求したもよう。しかしながら、OPECは『ロシア供給の減少規模を補うのはほぼ不可能』との考えを示したことが伝わった。供給ひっ迫への警戒感が急速に強まり、原油相場は買いが買いを呼ぶ展開に。節目100ドルもあっさり超えて、一時101ドル前半まで大きく上げ幅を広げた。アジア市場で94.84ドルまで下げたが、ロシアとウクライナの戦争状態は長期化するとの見方が増えており、ロシアのプーチン大統領は停戦協議の停滞を示唆したことから、ニューヨーク市場の中盤にかけて101.35ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では主に100ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4日続伸:米金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1953.00-1982.70ドルのレンジ相場となった。米3月消費者物価指数(CPI、前年比)は約40年ぶりの水準まで伸び率が上昇し、インフレのヘッジ資産とされる金は本日も買いが先行した。米債券市場は材料出尽くし感からか利回りが低下し、こちらも金利が付かない金の支持要因に。混迷を深めるウクライナ情勢も、安全資産とされる金に資金を向かわせた。ロンドン市場で1953.00ドルまで下げたが、安全逃避的な買いが増えたことによってニューヨーク市場で1982.70ドルまで買われた。その後はドル高を意識した売りが入ったことで上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では1970ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:過度なインフレ懸念後退で買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.08%低い(価格は上昇)2.41%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い2.72%で終了した。3月米消費者物価指数(CPI)がほぼ市場予想通りの結果となったため、過度のインフレ懸念が後退し債券買いが広がった。足もとで相場下落が続いたあとだけに押し目買いなども入ったようだ。

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