FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:景気に不透明感広がりディフェンシブ銘柄が下支え

NYダウは137.55ドル高の34721.12ドル、ナスダックは186.30ポイント安の13711.00ポイントで取引を終了した。米10年債利回りが3年ぶり高水準に達し、金利高を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。その後、景気に不透明感が広がる中、ディフェンシブ銘柄に投資資金が向かい、NYダウは上昇に転じた。また、米長期金利が上昇し利ざやが改善するとの見方から、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が値上がりした。一方で、ハイテク株は終日軟調に推移した。VIX指数は21.55から21.16へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇すると全般ドル買いが優勢に

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが意識される中、米10年債利回りが一時2.7265%前後と2019年3月以来約3年1カ月ぶりの高水準を付けると円売り・ドル買いが先行し、一時124.68円と日通し高値を付けた。ただ、節目の125.00円に接近すると戻り売りなどが出たため、伸び悩んだ。3月28日に付けた15年8月以来の高値125.09円がレジスタンスとして意識された面もある。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0837ドルと3月7日以来約1カ月ぶりの安値を更新した。市場では『週末の仏大統領選に対する不透明感もユーロの重しとなった』との声が聞かれた。ただ、年初来安値でもある3月7日の安値1.0806ドルがサポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。ユーロ/豪ドルやユーロ/ポンドなどユーロクロスの上昇につれた買いも入り、1.0885ドル付近まで下げ渋った。高インフレへの懸念から欧州中央銀行(ECB)が金融政策の正常化を前倒しで進めるとの観測も相場を下支えした。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反発:ウクライナ情勢の混迷から買い優勢に

NY原油先物市場は95.29ドル-98.76ドルのレンジ相場となった。今週は国際エネルギー機関(IEA)の備蓄放出決定以来下げ幅を広げていたこともあり、週末を前に買い戻しが優勢となった。ロシア軍のミサイル攻撃で、ウクライナの駅で多数の死者が出るなど、ウクライナ情勢の混迷が引き続き原油先物の支えとなった。アジア市場で95.29ドルまで売られたが、ウクライナ戦争の長期化を警戒した買いが入ったことで反転し、ニューヨーク市場の終盤にかけて98.76ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では98ドルを挟んだ水準で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比13基増加の546基となった。

 

NY金先物市場は小幅続伸:安全逃避とインフレヘッジの買い

NY金先物市場は1930.40-1952.20ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りが2.72%台まで上昇していることで、インフレリスクを嫌気し、安全資産とされる金先物に買いが集まり続伸した。また、ロシア軍がウクライナの駅にミサイル攻撃を行い、他の安全な地域へ逃れようとする住民らが多数死傷するなど、ウクライナ情勢が更に混沌化していることも金先物の支えとなった。アジア市場で1930.40ドルまで下げたが、安全逃避的な買いが増えたことによってニューヨーク市場の中盤にかけて1952.20ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では主に1945ドルから1949ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場は下落:米FRBの積極的な金融引き締めを意識した売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%高い2.52%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)2.70%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが意識される中、この日も売りが続いた。利回りは一時2.7265%前後と2019年3月以来約3年1カ月ぶりの高水準を付けた。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ