FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:景気後退入り懸念の緩和で買い優勢に

NYダウは87.06ドル高の34583.57ドル、ナスダックは8.48ポイント高の13897.30ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)による急激な利上げを警戒した売りが継続し、寄り付き後は下落し一時300ドル超下落した。しかし、雇用関連指標の強い結果や一部長短金利の逆転が解消したため景気後退入り懸念も緩和したほか、値ごろ感からの買いが下値を支え、引けにかけてプラス圏に回復した。VIX指数は22.10から21.55へ低下した。

 

NY外国為替市場:好調な米雇用指標受けドル買いの支援材料

ドル/円は、米10年債利回りが一時2.6710%前後と2019年3月以来約3年1カ月ぶりの高水準を付けると円売り・ドル買いが先行した。前週分の米新規失業保険申請件数が16.6万件と予想の20.0万件より強く、1968年11月以来約53年半ぶりの低水準を記録したことも相場の支援材料となり、一時124.00円と日通し高値を更新した。ただ、前日の高値124.05円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩み123.76円付近まで下押しする場面があった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(3月10日分)で『多くのメンバーが現在のインフレ率は非常に高い』『金融政策正常化に向けたさらなる措置が即座に必要』との見解が示されたことが分かると、インフレ抑制のため、ECBの金融政策正常化が前倒しで進むとの見方が広がりユーロ買いが先行し、一時1.0938ドルと前日の高値に面合わせした。ただ、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが強まると、1.0868ドル付近まで押し戻された。 

 

NY原油先物市場は3日続落:売り買い交錯してボラタイルな動きに

NY原油先物市場は93.81ドル-98.82ドルのレンジ相場となった。昨日の大幅安の反動で、一時98.82ドルまで原油先物は反発したが、徐々に上値が重くなると、流動性が悪いこともあり93.81ドルまで急落した。引けにかけては買い戻しも入り小幅安で終わったが、一日を通すと非常にボラタイルな動きとなった。なお、昨日発表された国際エネルギー機関(IEA)の備蓄放出は、米国が約6000万バレル、続いて日本が1500万バレル、韓国723万バレル、ドイツ648万バレルと発表された。通常取引終了後の時間外取引では米国株高を受けて値を戻し、97ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は反発:ウクライナ情勢の解決策が見えず安全資産としての買い

NY金先物市場は1923.30-1941.70ドルのレンジ相場となった。アジア時間には下値をトライする場面があったが、徐々に買い戻しが優勢となった。ここ最近の米連邦準備理事会(FRB)高官によるインフレ抑制発言が続いていることもあり、インフレヘッジとしての金先物買いが出ていたとされている。また、ウクライナ情勢の解決策が見えていないことも、安全資産として金先物に買いが集まった。アジア市場で1923.30ドルまで下げたが、安全逃避的な買いが増えたことによってニューヨーク市場の中盤にかけて1941.70ドルまで買われた。その後は米長期金利の上昇を意識して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引で一時1932.90ドルまで売られている。

 

米国債券市場はまちまち:米金融引き締めが意識され売り優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)2.46%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)2.66%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)高官によるタカ派的な発言が相次ぐ中、積極的な米金融引き締めが意識されて債券売りが継続した。良好な米雇用指標も相場の重しとなり、利回りは一時2.6710%前後と2019年3月以来約3年1カ月ぶりの高水準を付けた。

 

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