FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米FRB高官によるタカ派発言を嫌気した売り

NYダウは280.70ドル安の34641.18ドル、ナスダックは328.38ポイント安の14204.17ポイントで取引を終了した。ウクライナのゼレンスキー大統領が国連安保理で演説を行いロシアの行動を非難、米、欧州連合(EU)が6日に対ロ制裁強化を発表する計画が明らかになり、景気などへの影響を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)の副議長指名のブレイナード理事が早くて5月連邦公開市場委員会(FOMC)で、保有資産縮小を開始する可能性を示唆し金利が急伸したためハイテク株が大きく売られた。終日軟調に推移し、引けにかけて主要株式指数は下げ幅を拡大した。VIX指数は18.57から21.03へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRB要人のタカ派発言で全般ドル買い優勢

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)高官の中でハト派最右翼として知られるブレイナードFRB理事が金融引き締めに積極的な姿勢を見せたことを受けて、米10年債利回りが一時2.5655%前後と2019年5月以来の高水準を更新した。全般ドル買いが優勢となり、123.67円まで値を上げた。ブレイナード氏はこの日の講演で『インフレは高過ぎる状況で、上振れリスクにさらされている』として、『利上げを着実に進める一方、バランスシートの縮小を5月にも開始する』との意向を表明した。『バランスシート縮小は前回のサイクル(2017-19年)よりも大幅に速いペースになるだろう』などと語った。

 

ユーロ/ドルは、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する追加経済制裁の可能性が意識される中、ユーロ圏景気への悪影響を懸念したユーロ売りが先行した。FRB高官によるタカ派発言が相次ぐと、積極的な米金融引き締めが意識されてドル買いも活発化し、一時1.0900ドルと3月14日以来の安値を更新した。なお、ジョージ米カンザスティ連銀総裁は『インフレを低下させるために、中立金利より金利を上げなければならない可能性』と述べたほか、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は『早ければ5月にもバランスシートの縮小を開始できる』と発言した。 

 

NY原油先物市場は反落:前日の大幅高の反動売りが優勢に

NY原油先物市場は99.88ドル-105.59ドルのレンジ相場となった。欧州連合(EU)がロシアに対する制裁の一つとして、ロシア産の石炭の輸入禁止を考えているということが報じられたこともあり、原油先物価格は堅調地合いを維持していた。しかしながら、昨日の大幅高の反動もあり、徐々に上値が重くなり前日比では反落して引けた。アジア市場の序盤で105.59ドルまで買われたが、ロンドン市場で利食い売りが増えたことで伸び悩んだ。流動的なウクライナ情勢を警戒した買いが入ったものの、米長期金利の上昇やドル高を嫌気した売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で一時99.88ドルまで下落した。

 

NY金先物市場は反落:ドル高と米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1920.90-1948.90ドルのレンジ相場となった。避難通貨として金先物に買いが集まる場面があったが、FRB高官の相次ぐタカ派発言で米金利が上昇したことで、金先物には売りが入り反落して引けた。また、ドルがほぼ全面高となったことで、ドルで取引される金先物には割高感となったことも重しになった。新たな対露制裁の発動をにらんで、ニューヨーク市場の中盤にかけて1948.90ドルまで買われたが、米長期金利の上昇やドル高を嫌気した売りが強まり、金先物は1920.90ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では1925ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米FRB理事が金融引締めに積極姿勢示し売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.10%高い(価格は下落)2.52%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.15%高い2.54%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)高官の中でハト派最右翼として知られるブレイナードFRB理事が金融引き締めに積極的な姿勢を示したことで、債券売りが広がった。利回りが一時2.5655%前後と2019年5月以来の高水準を付けた。

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