FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中貿易摩擦解消協議への期待で買い優勢

NYダウは110.59ドル高の25669.32、ナスダックは9.81ポイント高の7816.33で取引を終了した。NYダウは2月26日以来約半年ぶりに高値を付けた。トルコの通貨危機に対する警戒感や、主要ハイテク株の一角に売りが広がり、上値の重い展開となった。ただ、米国と中国が貿易摩擦の解消へ協議を進めるとの期待が高まり買いが広がった。キャタピラーやボーイングなど中国向け売上比率が高い銘柄が買われた。VIX指数は13.45から12.64へ低下した。

 

NY外国為替市場:トルコ懸念で売られ米中貿易摩擦緩和期待で買い戻し

ドル/円は、『トルコ裁判所がブランソン米牧師解放の控訴を却下』との報道が伝わると、リスク回避的な売りが先行し、一時110.28円近辺まで値を下げた。7月米景気先行指標総合指数が市場予想を上回ったことで買い戻しが入る場面があったが、8月米消費者態度指数速報値(ミシガン大調べ)が予想を下回ったこともあり、戻りは鈍かった。ただNY午後に入り、『米中両国の当局者は貿易問題の行き詰まりを打開するため、11月に首脳会談を実現させることを視野にロードマップを作成中』との米紙報道が伝わると、米中貿易問題の改善期待からショートカバーが優勢になった。。NYダウが一時160ドル超上昇したことも相場の下支え要因となり、ドルの買戻しが入った。
なお、ハセット米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長の発言として『来週の中国との協議でポジティブなサインを発表する公算』などと伝わっていることもリスク回避が後退した。ユーロ/ドルは、トルコ情勢への懸念から売られる場面があったが、市場予想を下回る米経済指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進むと一時1.1445ドルと日通し高値を付けた。市場では『週末を控えたポジション調整目的の買いがやや優勢だった』との指摘があった。
 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズの両格付け会社はトルコの格付けを引き下げたと発表したものの、「格下げ自体は織り込み済みだった」ことから相場の反応は限られた。 

 

NY原油先物市場は続伸:持ち高調整の買いが優勢

NY原油先物市場は一時66.39ドルまで買われた。トルコなど新興国不安を背景に売りが先行したが、週末を迎え15日に原油在庫統計などで大幅安となった原油は徐々に持ち高調整が優勢となり、小幅続伸して取引を終了した。為替市場でドル売り・ユーロ買いが優勢となったことも、原油価格の支援材料となった。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比変わらず869基だった。

 

NY金先物市場はわずかに反発:ドル安を好感した買いも上値重い

NY金先物市場は一時1192.00ドルまで買われた。為替市場でドルが対ユーロなどで下落し、ドル建ての金に割安感が生じたことで買いが入った。ただ、米国株高を嫌気した売りも観測された。金の下落トレンドは変わらず、戻し局面での売り圧力が強かった。

 

米国債券市場は下落:米中貿易摩擦懸念後退で売り

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前日比0.01%高い(価格は下落)2.87%で終了した。米中貿易摩擦への懸念が和らぎ、安全資産とされる債券に売りが出た。しかし、トルコ情勢をめぐる懸念は根強く下値は限定的だった。

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