FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米金融引き締め懸念やウクライナ情勢警戒感から売り

NYダウは171.89ドル安の34566.17ドル、ナスダックは0.23ポイント安の13790.92ポイントで取引を終了した。セントルイス連銀のブラード総裁がTVインタビューで、金融引き締め計画を前倒しで実施する必要性を強調したほか、ロシアが近くウクライナ侵攻に踏み切るとの警戒感がくすぶり、寄り付き後は下落した。そののち、ロシアのプーチン大統領が依然、外交的解決も選択肢としていると報じられ下げ幅を縮小する局面もあったが、政府がキエフのウクライナ大使館の移転計画を明らかにすると、再び売りが加速して終日軟調推移となった。VIX指数は27.36から28.33へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ウクライナ懸念の一服でドル買い戻し

ドル/円は、ラブロフ露外相がウクライナ情勢を巡り、米欧との対話継続をプーチン大統領に進言したと伝わると、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退し買い戻しが先行した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するブラード米セントルイス連銀総裁がCNBCとのインタビューで『金融引き締めの前倒しが必要』との認識を改めて強調すると、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化し、一時115.75円と日通し高値を更新した。その後、『ロシアによるウクライナ侵攻が16日にも行われる』『ウクライナ近郊のロシア軍が攻撃態勢を整えた』との報道をきっかけに米国株相場が下げ幅を拡大すると、ドル/円も115.37円付近まで下押ししたが、115.67円付近まで持ち直した。ウクライナのゼレンスキー大統領は『ロシアによる侵攻は16日に行われるとの情報を得ている。われわれはこの日を連帯の日にする』などと述べたと伝わったが、市場では『ウクライナ語で皮肉や嘲りを含んだ発言であり、内容が誤訳された可能性がある』との声も聞かれ、米国株は引けにかけて下げ幅を縮めた。 

 

ユーロ/ドルは、ラブロフ露外相による西側諸国との話し合いに前向きな発言が伝わると、一時1.1342ドル付近まで買い戻される場面もあったが戻りは鈍かった。ロシアが16日にも軍事攻撃に踏み切るとの報道が伝わり、ウクライナ情勢が一気に切迫。WTI原油先物相場が2014年9月以来となる95ドル台まで急騰し、NYダウは一時430ドル超下落した。投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、ユーロ売り・ドル買いが優勢になると一時1.1280ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は4日続伸:ウクライナ情勢の警戒感強く買い優勢

NY原油先物市場は92.09ドル-95.82ドルのレンジ相場となった。ロシアが今週中にもウクライナ侵攻を始めるとの警戒感が強く、ロシアからのエネルギー供給が途絶えるとの懸念で原油相場は大幅続伸した。3月限は主要限月として2014年9月以来の95ドル台回復となった。ニューヨーク市場の序盤に92.09ドルまで下げており、一時伸び悩んだが、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性は消えていないため、通常取引終了後の時間外取引で再上昇し、一時95.82ドルまで買われた。

 

NY金先物市場は7日続伸:米国株安やウクライナ情勢の警戒感から買い

NY金先物市場は1851.90-1876.50ドルのレンジ相場となった。米国株が続落するなど、ウクライナ情勢の緊迫化で投資家のリスク回避志向は根強く、逃避資産とされる金の需要が高まっている。一部ではロシアは16日にもウクライナ侵攻を開始すると報じられた。アジア市場で1851.90ドルまで下げたが、ロシアによるウクライナ侵攻が一段と警戒されていることから、ニューヨーク市場の中盤にかけて1870ドル台まで上昇した。しかし、一時1761.80ドルまで下げたが、通常取引終了後の時間外取引で1876.50ドルまで一段高となった。 

 

米国債券市場は下落:ブラード米セントルイス総裁発言受け売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%高い1.57%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い1.99%で終了した。ブラード米セントルイス連銀総裁がCNBCとのインタビューで『金融引き締めの前倒しが必要』との認識を改めて強調すると、債券売りが優勢となった。ただ、そのあとはウクライナ情勢の緊迫化で安全資産とされる米国債に買いが入ったため、下げ幅を縮めた。 

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