FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:地政学リスク高まり売りが優勢に

NYダウは503.53ドル安の34738.06ドル、ナスダックは394.48ポイント安の13791.16ポイントで取引を終了した。数人の連邦準備制度理事会(FRB)高官が大幅な利上げを支持しない考えを示したため、寄り付き後は上昇した。その後、発表された2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を下回ったため景気回復懸念に下落に転じた。さらに、米国政府が早くて今週末にもロシアがウクライナ侵攻に踏み切る可能性を警告したため警戒感から売りが加速し、終日軟調に推移した。一時620ドル超下落する場面があった。 VIX指数は23.91から27.36へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株の急落でリスク回避の円買い

ドル/円は、前日は予想を上回る1月米消費者物価指数(CPI)やブラード米セントルイス連銀総裁のタカ派発言を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐとの見方が強まったものの、本日は利上げ加速に慎重なFRB高官の発言が伝わったことから円安・ドル高が一服していた。NY時間に入り、2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が61.7と予想の67.5を下回ったことが分かると、円買い・ドル売りが先行した。そして、『ロシアは来週にもウクライナへ侵攻する可能性がある』との報道をきっかけに米国株相場が急落すると、リスク回避の円買い・ドル売りが加速した。一時は2.0609%前後と2019年7月以来の高水準を付けた米10年物国債利回りが1.90%台まで低下したことも相場の重石となり、114.97円まで値を下げた。なお、ロシアとウクライナとの間の緊張が高まる中、英国やオランダ、日本などは自国民に対しウクライナからの退避を勧告した。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)も『ロシアによるウクライナ侵攻はいつ始まってもおかしくない』と述べ、ウクライナ在住米国人に48時間以内に退避するよう改めて勧告した。 

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)が金融政策の正常化を迫られるとの見方が改めて意識されて、ユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1418ドル付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.1431ドルを上抜けることは出来なかった。ウクライナ情勢の緊迫化でリスク回避のユーロ売り・ドル買いが出ると、一時1.1330ドルと日通し安値を更新した。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:露によるウクライナ侵攻を警戒した買い

NY原油先物市場は89.19ドル-94.66ドルのレンジ相場となった。来週にもロシアがウクライナに侵攻するとの報道が伝わったことで地政学リスクが一気に高まった。原油需要増による需給ひっ迫懸念が高まり、2014年9月以来の高値となる94.66ドルまで買い上げられた。アジア市場で89.19ドルまで下げたが、ロンドン市場で90ドル台を回復した。ニューヨーク市場の序盤に一時伸び悩んだが、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性が高まったとの見方で急上昇し、一時94.66ドルまで買われた。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週比19基増加の516基となった。

 

NY金先物市場は6日続伸:地政学リスク高まり買い優勢に

NY金先物市場は1821.10-1867.40ドルのレンジ相場となった。週末を前に小動きが続いていたが、取引終了後にロシアがウクライナに来週にも侵攻するとの報道が伝わると安全資産としての金需要が急速に高まり、一時1865ドル台まで急伸した。アジア市場で1821.10ドルまで下げたが、ロンドン市場で反転した。ロシアによるウクライナ侵攻が一段と警戒されたことから、通常取引終了後の時間外取引で急上昇し、1867.40ドルまで買われた。 

 

米国債券市場は上昇:地政学リスク高まると一転して買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)1.51%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い1.94%で終了した。インフレ加速を背景に米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐとの見方から債券売りが先行し、利回りは一時2.0609%前後と2019年7月以来の高水準を付けた。ただ、『ロシアが来週にもウクライナに侵攻する可能性がある』との報道が伝わると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入り一転上昇(金利は低下)した。 

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