FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場:強い米企業決算受け買い優勢に

NYダウは224.09ドル高の35629.33ドル、ナスダックは71.55ポイント高の14417.55ポイントで取引を終了した。昨日引け後に発表された検索大手グーグルを運営するアルファベット(GOOG)の好決算で投資家心理が改善し、寄り付き後は上昇した。業績が景気動向の影響を受けにくいディフェンシブ株の上昇も目立った。その後、1月の民間雇用統計が予想外の減少となったため景気回復懸念に一時下落に転じる局面もあった。しかし、強い企業決算への期待に再び上昇し、引けにかけて上げ幅を拡大した。VIX指数は21.96から22.09へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ユーロ買い強まりドル売りやや優勢に

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を大幅に上回り、過去最大を記録すると、欧州中央銀行(ECB)が金融政策の正常化に向けた議論を前倒しで進めるとの見方が広がりユーロ買いが膨らんだ。NY市場に入ると、1月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が30.1万人減と予想の20.7万人増に反して大幅に減少したことが分かりドル売りが加速。一時1.1330ドルと日通し高値を付けた。そのあとは、ウクライナ情勢を巡る緊張が続いていることなどが嫌気されて一時1.1293ドル付近まで上値を切り下げる場面もあったが、下押しは限定的だった。なお、米政府は緊迫化するウクライナ情勢を踏まえ、数日中に3000人規模の米軍部隊を北大西洋条約機構(NATO)のポーランドやルーマニアなどに派遣すると発表した。一方、ロシア政府は『欧州での新たな米軍部隊配備は破壊的』との見解を示したと伝わった。 

 

ドル/円は、ユーロやポンドに対してドル売りが強まると、円に対してもドル売りが先行した。予想を下回る米雇用指標も相場の重しとなり、一時114.11円と日通し安値を更新した。ただ、一時は1.74%台まで低下した米10年債利回りが1.78%台まで低下幅を縮めるとドル円も下げ渋る展開になった。米国株が堅調に推移したことも相場を下支えし、114.47円付近まで下げ幅を縮めた。 

 

NY原油先物市場は小幅に4日続伸:地政学リスクを警戒した買い優勢

NY原油先物市場は87.10-89.72ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する『OPECプラス』は生産水準を日量40万バレル引き上げる現行の方針を3月も維持することを決定した。『OPECプラス』の決定が伝わると一時89.72ドルまで上昇した。もっとも、その後は利益確定目的の売りに押されて上げ幅を縮小した。ニューヨーク市場の序盤に89.72ドルまで買われたが、雇用関連指標の悪化を嫌気して一時87.10ドルまで反落。ただ、地政学的リスクの高まりを警戒した買いが入ったことで88.42ドルまで反発し、通常取引終了後の時間外取引でも88ドル台を維持した。 

 

NY金先物市場は3日続伸:ウクライナ情勢の緊張の高まりから買い優勢

NY金先物市場は1794.60-1812.00ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル安が進み、ドル建ての金の割安感を意識した買いが入った。また、ウクライナ情勢を巡って米露間の緊張が高まっていることも相場の支援材料になった。アジア市場で1794.60ドルまで下げた後、1月米ADP雇用統計が大幅に悪化したことから、ニューヨーク市場の序盤にかけて1812.00ドルまで買われた。その後は米国株高などを意識して上げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では1808ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場は反発:米雇用指標の悪化を受け買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.15%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い1.77%で終了した。1月ADP全米雇用報告が予想を大幅に下回ったことを受けて、債券買いが優勢となった。 

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