FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米長期金利が低下したことで買い戻しが優勢に

NYダウは564.69ドル高の34725.47ドル、ナスダック417.79ポイント高の13770.57ポイントで取引は終了した。ウクライナ情勢や連邦準備制度理事会(FRB)の大幅な利上げを警戒した売りに、寄り付き後は下落し一時350ドル超下落したがその後持ち直した。注目となっていた10-12月期雇用コスト指数が予想を下回る伸びにとどまったため金利が低下したことで、高PER(株価収益率)のハイテクが買われ一時570ドル超上昇した。VIX指数は30.49から27.66へ低下した。

 

NY外国為替市場:米経済指標受け米長期金利が低下するとドル売り

ユーロ/ドルは、欧州時間に一時1.1121ドルと2020年6月2日以来の安値を付けたものの、その後持ち直した。このところ急ピッチでユーロ安・ドル高が進んでいたため、週末を控えた持ち高調整目的のユーロ買い・ドル売りが出た。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の支援材料となり、一時1.1173ドルと日通し高値を付けた。市場では『12月米個人消費支出(PCE)はほぼ予想通りの結果となったが、10-12月期米雇用コスト指数が予想より弱い内容となったため米債買い(金利は低下)・ドル売りで反応した』との指摘があった。ただ、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが意識されるため、上値も限定的だった。米金融大手ウェルズ・ファーゴは『FRBが年内に1.25%の利上げを実施し、量的引き締め(QT)を7月に開始する見込み』とのレポートを出したほか、バンク・オブ・アメリカは『FRBは3月を皮切りに年内に0.25%の利上げを計7回(1.75%)実施する』との見方を示した。 

 

ドル/円は、FRBによる金融引き締めが積極的なペースで実施される可能性が意識され、日本時間夕刻には一時115.68円と11日の高値に面合わせした。ただ、NY市場に入ると弱含んだ。FRBが物価の目安とするPCEコアデフレーターは前年同月比4.9%上昇と前月の4.7%上昇から加速し、1983年以来の高い伸びを記録したものの、同時に発表された雇用コスト指数が予想を下回ったため、ドル売りが先行した。米長期金利が低下に転じたことも相場の重石となり、一時115.09円と日通し安値を更新した。 

 

NY原油先物市場は小幅反発:ウクライナ情勢絡みの供給懸念で買い優勢

NY原油先物市場は86.44ドル-88.84ドルのレンジ相場となった。ウクライナ情勢を巡り、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)諸国の対立への懸念が高まっている。ロシアから欧州への原油供給の障害になるとの見方が、原油相場を支える要因になった。エネルギー供給不安は消えていないことから、ニューヨーク市場の序盤にかけて88.84ドルまで買われたが、ドル高を意識して伸び悩み、一時86.44ドルまで下げた。通常取引終了後の時間外取引では87ドルを挟んだ水準で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週比4基増加の495基となった。

 

NY金先物市場は続落:米金利やドルの先高観を嫌気した売り

NY金先物市場は1780.60-1800.30ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派姿勢を受けた米金利やドルの先高観を嫌気した流れが継続した。金利が付かない資産であり、ドルの代替資産とされる金へ投資資金が向かいにくくなっている。ロンドン市場で1780.60ドルまで下げた後、ニューヨーク市場で1793.90ドルまで戻したが、通常取引終了後の時間外取引ではおおむね1790ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:弱い米経済指標受け買いが優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.16%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い1.77%で終了した。10-12月期米雇用コスト指数が予想より弱い内容となったことを受けて債券買いが先行した。1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値が予想を下回り、2011年11月以来の低水準となったことも相場の支援材料になった。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ