FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米FRBの金融引締めを警戒した根強い売り優勢

NYダウは66.77ドル安の34297.73ドル、ナスダックは315.83ポイント安の13539.30ポイントで取引を終了した。ウクライナを巡る緊張に加え、連邦準備制度理事会(FRB)が開催している連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感から利益確定売りが続き、寄り付き後は下落した。速やかな利上げ観測が強まる中で2年債入札に続き5年債入札でも国内外の強い需要が見られると安心感に繋がり、売り圧力が後退した。NYダウは一時上昇に転じる局面もあった。しかし、引けにかけてはFRBの速やかな引き締めを警戒した根強い売りに主要株式指数は下落で終了した。ただ、予想を上回る決算を発表したアメリカン・エキスプレスが8.7%上昇し、1銘柄でNYダウを100ドル近く押し上げた。VIX指数は29.90から31.16へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FOMC結果発表を控え方向感の出にくい展開

ドル/円は、米10年債利回りが時間外取引で一時1.79%台まで上昇したことを受けて114.16円と日通し高値を付けたものの、その後失速し113.78円付近まで下押しした。ただ、そのあとは113.90円付近で値動きが鈍った。米国株式市場では一時810ドル超急落したNYダウが急速に持ち直し220ドル超上昇したあと、再び下落した。米国株の乱高下を受けてドル/円も神経質な動きとなった。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に全体的に様子見気分も強く、方向感が出にくい面もあった。市場では『一目均衡表の雲(下限:113.80円、上限:113.86円)を意識しながらの動きとなっている』との声も聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、ウクライナ情勢を巡る緊迫が続く中、地政学リスクの高まりによる欧州景気への懸念などからユーロ売りが優勢となり、一時1.1263ドルと昨年12月21日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しがじわりと強まり、1.1307ドル付近まで下げ渋った。前日に急落した欧州株相場が反発したことが相場を下支えした。なお、バイデン米大統領は『ロシアがウクライナに侵攻した場合、プーチン大統領に直接制裁を課すことを検討する』と言明したものの、『米軍をウクライナに投入する意図はない』との考えを示した。 

 

NY原油先物市場は4営業日ぶりに反発:在庫減少見通しから買戻し

NY原油先物市場は82.99ドル-85.71ドルのレンジ相場となった。不安定な株式市場の動向や地政学リスクなど、需要の弱まりを意識させる材料はくすぶったままだった。しかし、足もとの需給の引き締まりが在庫減少につながるとの見方があった。明日の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫統計の発表を前に、在庫減少が相場を押し上げるとの警戒感もあり買い戻しにつながった。ロンドン市場で82.99ドルまで下げたが、ニューヨーク市場で反転し、通常取引終了後の時間外取引で85.71ドルまで上昇した。 

 

NY金先物市場は続伸:安全資産としての買いが優勢に

NY金先物市場は1834.40-1854.20ドルのレンジ相場となった。昨日は終盤に持ち直した米国株が再び下落した。ウクライナ情勢など地政学リスクへの懸念も継続しており、安全資産とされる金を買う動きが続いた。ロンドン市場で1834.40ドルまで売られたが、ウクライナ問題を巡る思惑で地政学的リスクが高まっていることから、安全逃避的な買いが増えており、ニューヨーク市場で1854.20ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引では1850ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場は下落:米FOMCの結果控えポジション調整売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.01%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い1.77%で終了した。ウクライナ情勢への懸念から安全資産とされる米国債には買いが先行したものの、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前にポジション調整目的の売りが出ると値を消した。 

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