FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:GSの決算への失望と米2年債利回り上昇を嫌気

NYダウは543.34ドル安の35368.47ドル、ナスダックは386.85ポイント安の14506.90ポイントで取引を終了した。金融のゴールドマンサックス(GS)の決算内容に失望した売りや、国債利回りが2年ぶり高水準に達し金利高を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。著名投資家のアックマン氏が3月連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイントの利上げの可能性などを指摘するなど、連邦準備制度理事会(FRB)の急激な引き締めを警戒した売りが続き、終日軟調に推移した。NYダウは前日比で1.51%安、ハイテク株の多いナスダック総合指数は安値圏での引けで2.60%安、S&P500は1.84%安となった。VIX指数は19.19から22.79へ上昇した。

 

NY外国為替市場:欧米株安や地政学からリスク回避の動き強まる

ユーロ/円は、株安を手掛かりとした欧州序盤からのリスク回避の売りがNY市場でも継続。ダウ平均が650ドル近くまで下げ幅を拡大したほか、米ホワイトハウスが『ロシアのウクライナ攻撃はいつ起きてもおかしくない』と発表するなど、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが意識された面もあり、一時129.70円まで売り込まれた。 

 

ドル/円は、欧米株安を背景とした円高に沿ってNY序盤には一時114.45円と東京時間に付けた安値114.45円に接近した。一方、米10年債利回りが1.87%台と2020年1月以来の水準まで上昇したため下値も限られた。 

 

ユーロ/ドルは、株安を手掛かりとしたユーロ円の下落や地政学リスクを意識したユーロスイスフランの下げ、そして米長期金利の上昇に伴うドル高の影響を受けた。一時1.1315ドルまで値を下げるなど、総じてさえない動きとなった。

 

NY原油先物市場は続伸:中東の地政学リスク悪化から供給懸念

NY原油先物市場は83.57ドル-85.35ドルのレンジ相場となった。週末にアラブ首長国連邦(UAE)が無人機攻撃を受けて、アブダビの国営石油会社施設付近でも爆発などが報告され、中東情勢の悪化が今後の供給懸念につながった。原油先物は一時2014年10月以来となる85ドル後半まで上昇した。アジア市場の序盤に83.57ドルまで売られたが、まもなく反転し、ロンドン市場で85ドル台前半まで買われた。ニューヨーク市場の中盤に83.93ドルまで下げたものの、地政学的リスクの増大を警戒した買いが入り、通常取引終了後の時間外取引で85.35ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は3日続落:米長期金利上昇が重石に

NY金先物市場は1804.70-1822.40ドルのレンジ相場となった。『ロシアがウクライナに対していつ攻撃をするか分からない』と米政府高官が発言するなど、ウクライナ情勢の緊張が増していることもあり、安全資産とされる金に買いが入る場面があった。しかしながら、米金利上昇やドル高が重石となり、前日比マイナス圏に沈んで取引を終えた。アジア市場で1822.40ドルまで買われたが、米長期金利の上昇を意識した売りが増えたことによって伸び悩んだ。ニューヨーク市場の序盤に1804.70ドルまで下げたが、1819.90ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では、1813ドルを挟んだ水準で取引された。

 

米国債券市場は大幅続落:米国の金利先高観が強まり売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは大幅下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)1.04%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い1.87%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)が3月にも利上げするのではとの観測が高まるなか、その後の追加利上げへの期待感も重なって金利先高観から米国債売りが優勢になった。利回りは2020年1月以来の水準を付けた。

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