FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:金利の上昇を警戒した売り優勢

NYダウは4.81ドル安の36231.66ドル、ナスダックは144.97ポイント安の14935.90ポイントで取引を終了した。12月雇用統計で雇用の伸びが予想を大幅に下回ったことに失望し、寄り付き後、下落。その後、失業率のパンデミック前の水準3%台への回復を受けて、経済や労働市場の回復を期待した景気循環株の買いにNYダウは一時上昇した。しかし、金利の上昇が警戒され引けにかけ再び下落に転じた。ナスダック総合指数は終日軟調に推移した。VIX指数は19.61から18.76へ低下した。

 

NY外国為替市場:米雇用者数に着目したドル売り優勢

ユーロ/ドルは、米労働省が発表した12月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比19.9万人増と予想の40.0万人増を下回った一方、失業率は3.9%と予想の4.1%より強い内容となった。また、平均時給は前月比0.6%上昇/前年比4.7%上昇と予想の前月比0.4%上昇/前年比4.2%上昇を上回った。指標発表当初はドル買いで反応したため一時1.1293ドル付近まで値を下げたものの、そのあとは予想を下回る米雇用者数に着目したドル売りが優勢になり、一時1.1365ドルと日通し高値を更新した。 

 

ドル/円は、米失業率の改善や平均時給の予想市場の上昇を受けて一時115.93円付近まで買われたものの、節目の116.00円やアジア時間に付けた日通し高値116.05円には届かなかった。そのあとは予想を下回る米雇用者数に着目したドル売りが優勢となり、一時115.53円と日通し安値を付けた。なお、市場では『昨年11月24日の高値115.52円や一目均衡表転換線が位置する115.51円がサポートとして意識されている』との声が聞かれた。 

 

NY原油先物市場は反落:米雇用統計発表後に売り優勢に

NY原油先物市場は78.52ドル-80.47ドルのレンジ相場となった。原油の供給逼迫懸念が支えとなり、買いが先行するも、米雇用統計の発表後に売りに押された。12月米雇用統計は強弱まちまちの結果となったが、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が市場予想を大幅に下回ったことが嫌気され、原油相場は利益確定売りに押された。地政学的リスクの増大を警戒してロンドン市場で80.47ドルまで買われたものの、12月の米雇用統計発表後に売りが強まり、一時78.52ドルまで下落した。その後、79ドル台前半まで戻したものの、週末前のポジショ調整に絡んだ売りが観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に79ドルを下回る水準で推移した。

 

NY金先物市場は反発:ドル安に傾き買戻し強まる

NY金先物市場は1781.30-1798.40ドルのレンジ相場となった。強弱まちまちの米雇用統計を受けて、金は乱高下する場面もあったが、為替相場で徐々にドル安・ユーロ高が進むと、ドル建ての金に買いが入り、前日比で反発して取引を終えた。ただ、米長期金利の上昇を嫌気した売りも入り、上値は限られた。12月米雇用統計発表後に1781.30ドルまで下落したが、押し目買いの興味は残されており、通常取引終了後の時間外取引で1798.40ドルまで戻した。

 

米国債券市場はまちまち:金融政策正常化が早期に進むとの見方から売り

米国債券市場で中期ゾーンは変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.86%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.76%で終了した。米金融政策の正常化が想定より速いペースで進むとの見方から、この日も売りが続いた。利回りは一時1.7992%前後と2020年1月以来約2年ぶりの高水準を付けた。 

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