FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:金融引き締めへの警戒感から売り優勢

NYダウは170.64ドル安の36236.47ドル、ナスダックは19.30ポイント安の15080.87ポイントで取引を終了した。週次失業保険申請件数が増加したほか、12月ISM非製造業景況指数が予想を大幅に下回ったため強い回復期待が後退し、寄り付き後は下落した。連邦準備制度理事会(FRB)による速やかな金融引き締めへの警戒感もくすぶり終日軟調に推移した。米長期金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出やすかった。ただ、前日に軒並み大幅安になったことから押し目買いが入り反発する銘柄もあった。VIX指数は19.73から19.61へ低下した。

 

NY外国為替市場:米金融引き締め観測高まりドル買い戻し

ドル/円は、11月米貿易収支や前週分の米新規失業保険申請件数、12月米ISM非製造業指数が予想より弱い内容だったことが分かると、円買い・ドル売りが先行し、一時115.59円と日通し安値を付けた。ただ、前日の安値115.62円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、米利上げと保有資産の縮小が想定より速いペースで進むとの見方が広がったことから、米長期金利はこの日も上昇傾向を維持した。日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いも出やすく、一時115.95円付近まで下値を切り上げた。なお、FOMCで今年投票権を有するブラード米セントルイス連銀総裁は『米連邦準備理事会(FRB)は早ければ3月に利上げする可能性がある』と述べたほか、『必要に応じてインフレに対して一段と積極的な措置を講じる良い状況にある』『昨年12月時点で今年3回の利上げを想定』などと語った。

 

ユーロ/ドルは、この日発表の米経済指標が軒並み弱い内容だったことが分かると、ユーロ買い・ドル売りが進行し、一時1.1332ドルと日通し高値を付けた。ただ、米金融政策の正常化が想定より速いペースで進むとの見方から米金利が上昇し、欧米金利差の拡大を見込んだユーロ売り・ドル買いが出ると1.1286ドル付近まで下押しした。

 

NY原油先物市場は4日続伸:カザフスタンの地政学リスクで買い優勢

NY原油先物市場は76.73ドル-80.24ドルのレンジ相場となった。堅調地合いが続いている原油相場は買いが先行し、2月限は一時80ドルの大台を回復した。カザフスタンで反政府デモが発生し、日量160万バレルの産油国でもあるカザフスタンの地政学リスクへの警戒感が買いを後押しした。また、石油輸出国機構(OPEC)加盟国のリビアの産油量が減少していることも引き続き相場の支援材料となった。アジア市場で76.73ドルまで下げたものの、中期的な原油需要増加への期待は残されており、ニューヨーク市場の序盤にかけて80.24ドルまで買われた。ただ、米国金利の先高観は消えていないことから、80ドル超の水準で利食い売りが観測されており、一時79.07ドルまで下げた。通常取引終了後の時間外取引では主に79ドル台半ば近辺で推移した。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物は1785.40-1811.60ドルのレンジ相場となった。昨日の取引終了後に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で想定より速いペースで利上げが実施される可能性が指摘されたことを受けて、米10年債利回りが昨年4月以来の高い水準まで上昇し、金利を生まない金は売りが先行した。アジア市場の序盤で1811.60ドルまで買われたが、換金目的の売りが増えたことによって上値は重くなった。ニューヨーク市場の序盤に1785.40ドルまで下落した。その後、1795.90ドルまで反発したが、戻り売りの興味は残されており、通常取引終了後の時間外取引では1790ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米金融政策の正常化の思惑から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.86%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い1.72%で終了した。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、米金融政策の正常化が想定より速いペースで進むとの見方から債券売りが続いた。利回りは一時1.7511%前後と昨年4月1日以来約9カ月ぶりの高水準を付けた。 

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