FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:急速な金利高を警戒した売り強まる

NYダウは392.54ドル安の36407.11ドル、ナスダックは522.54ポイント安の15100.18ポイントで取引を終了した。民間部門の12月ADP雇用統計が予想を大幅に上回り労働市場の強い回復が証明されたことが好感され、寄り付き後は上昇した。景気循環株がけん引し、NYダウは日中取引で史上最高値を更新した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)が公表した12月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の中で、従来想定していたよりも早期で速やかなペースでの利上げやバランスシート縮小の可能性を示唆するタカ派姿勢を示したため、急速な金利高を警戒し大幅下落に転じた。高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが集まり、指数を押し下げた。VIX指数は16.91から19.73へ上昇した。

 

NY外国為替市場:タカ派的な米FOMC議事要旨受けドル買い優勢

ドル/円は、足もとで相場上昇が続いたあとだけに、ポジション調整目的の円買い・ドル売りが先行し、一時115.62円と日通し安値を付けた。ただ、12月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が80.7万人増と予想の40.0万人増を大幅に上回ったことが分かると買い戻しがじりじりと進んだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月14日-15日分)で利上げやバランスシート縮小について『前回の緩和縮小時よりも速いペースで実施するのが正当化される可能性』との見解が示されると、米長期金利が上昇した。ドル/円にも買いが入り116.18円付近まで戻した。
 FOMC議事要旨では『労働市場やインフレの状況を踏まえて、以前の予想よりも早めに、あるいはより速いペースでFF金利を引き上げることが正当化される可能性』『多くの参加者はバランスシートの縮小ペースについて前回の正常化局面よりも速くなる可能性が高い」との見解が示された。FF金利先物市場が織り込む3月会合での0.25%の利上げ確率は約80%に上昇した。 

 

ユーロ/ドルは、ポジション調整目的のドル売りが先行すると一時1.1346ドルと日通し高値を付けたものの、FOMC議事要旨が公表されると米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となり1.1302ドル付近まで上げ幅を縮めた。なお、米長期金利の指標である米10年債利回りは一時1.7087%前後と昨年4月6日以来約9カ月ぶりの高水準を付けた。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:米FOMC議事要旨発表後に売られる

NY原油先物市場は76.51ドル-78.58ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国で構成する『OPECプラス』が小幅な増産方針を維持したことが支えとなるなか、ドル安・ユーロ高もドル建ての原油の買いを後押しした。米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で原油在庫は214.4万バレルの取り崩しと市場予想ほど減少しなかったが、6週連続の在庫減となり、在庫統計の発表後も原油相場は堅調地合いを維持した。ロンドン市場で76.51ドルまで下げた後、中期的な原油需要の増加への期待が広がり、ニューヨーク市場で78.58ドルまで買われた。しかしながら、通常取引終了後の時間外取引で77ドル近辺まで反落した。

 

NY金先物市場は続伸:通常取引終了後に下落

NY金先物市場は1808.20-1830.70ドルのレンジ相場となった。為替市場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての金に買いが入ったほか、物価の上昇が長期化するとの見方が強いなか、インフレヘッジ目的の買い意欲も根強かった。ニューヨーク市場の序盤に1830.70ドルまで買われたが、中盤にかけて伸び悩んだ。通常取引終了後の時間外取引で1808.20ドルまで下落した。

 

米国債券市場は下落:タカ派的な米FOMC議事要旨を受け売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)0.83%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い1.70%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月14日-15日分)で利上げや保有資産の圧縮について、『前回の緩和縮小時よりも速いペースで実施するのが正当化される可能性』との見解が示されると、債券売りが広がった。利回りは一時1.7087%前後と昨年4月6日以来約9カ月ぶりの高水準を付けた。 

 

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