FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:FOMCの結果が想定内だったことで買い優勢

NYダウは383.25ドル高の35927.43ドル、ナスダックは327.94ポイント高の15565.83ポイントで取引を終了した。FOMCではテーパリングの加速が決定されたほか、ドット・チャートでは来年3回の利上げが示された。ただ、市場では『ほぼ想定の範囲内』と受け止められ、FOMCを通過した安心感から買いが優勢になった。なお、FOMC前は軟調に推移し一時150ドル超下落する場面があった。VIX指数は21.89から19.29へ低下した。

 

NY外国為替市場:米FOMC結果公表でドル買い先行後売られる展開

ドル/円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に全般ドル買いが先行した。11月米小売売上高が予想を下回ったことを受けて一時113.75円付近まで売られたものの、12月米ニューヨーク連銀製造業景気指数や12月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が予想を上回ったこともあり、下押しは限られた。米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCでテーパリング(量的緩和の縮小)のペースを倍増し、終了時期の想定を2022年6月から同3月へ前倒しした。委員らが示した政策金利予想(ドット・チャート)では、22年の利上げ回数が前回の1回から3回に引き上げられた。23年は3回で、前回と同じだった。24年は2回と前回の3回から引き下げられた。また、FOMCはこれまでの『インフレは一時的(transitory)』との表現を声明文から削除し、『需給不均衡がインフレの押し上げに寄与し続けた』とインフレの持続性を強調する表現に改めた。FOMC直後はドル買いが優勢となり一時114.27円まで値を上げたものの、『ほぼ想定の範囲内』との受け止めが広がると次第に伸び悩んだ。重要イベントを通過した安心感から米国株が一転上昇するとリスク選好のドル売りも出て、一時113.95円付近まで下押しした。FOMCを受けて米10年債利回りはやや上昇したものの、1.46%前後で推移し前日終値(1.44%)からの上昇幅は小さかった。
 なお、パウエルFRB議長はFOMC後の会見で『インフレ高進は困難であると認識。FRBは物価安定の責務達成にコミット』『テーパリングは来年3月半ばに終了する見通し』などと述べた一方、『テーパリング完了まで利上げは開始しない』『テーパリング続行中の利上げは不適切』との考えを示した。 

 

ユーロ/ドルは、FOMC結果公表を前に全般ドル買いが進んだ流れに沿ったほか、米国株相場が下落して始まったことを背景にリスク回避のドル買いが先行した。FOMC公表直後にドル買いが強まると一時1.1222ドルと日通し安値を付けた。ただ、そのあとは米国株が一転上昇したことを受けてリスク選好のドル売りが優勢になり、一時1.1299ドルと日通し高値を更新した。なお、NYダウは一時400ドル近く上げたほか、ナスダック総合は2.2%超上昇する場面があった。 

 

NY原油先物市場は小反発:原油在庫が予想以上に減少で買い優勢に

NY原油先物市場は69.39ドル-71.66ドルのレンジ相場となった。『オミクロン株』感染拡大に伴う規制強化でエネルギー需要が鈍化するとの懸念が強まり、売りが先行した。ただ、米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で原油在庫が458.4万バレルの取り崩しと、予想以上に減少したことも支えに買い戻しが入った。ロンドン市場で69.69ドルまで売られたが、供給超過を警戒した売りは拡大せず、まもなく70ドル台を回復した。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果判明後にしっかりとした買いが入っており、通常取引終了後の時間外取引で一時71.66ドルまで一段高となる場面があった。 

 

NY金先物市場は続落:米長期金利の上昇を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1753.00-1781.30ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前に積極的な取引は手控えられたが、為替相場でユーロが対ドルでの上値の重い動きとなったことや、米長期金利が上昇傾向に推移したことが重しとなり、金は売りが優勢となった。通常取引終了後の時間外取引で1753.00ドルまで下げたが、その後1781.30ドルまで戻した。米国金利の先高観が台頭しているが、押し目買い興味は残されている。

 

米国債券市場はまちまち:米FOMC結果受け売り先行も反応は一時的

米国債券市場で中ゾーンは変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.65%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.46%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(量的緩和の縮小)の加速が決定され、政策金利予想(ドット・チャート)で来年3回の利上げが示唆されると債券売りが出た。ただ、『ほぼ想定の範囲内だった』との見方から反応は一時的だった。

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