★米国株式市場は上昇:良好な企業決算を好感した買い先行
NYダウは216.30ドル高の35970.99ドル、ナスダックは113.23ポイント高の15630.60ポイントで取引を終了した。良好な企業決算を好感し寄り付き後は上昇した。11月消費者物価指数(CPI)が39年ぶり最大の伸びを記録したため一時下落に転じる局面もあったが、想定内で金利が低下したほか、疾病管理予防センター(CDC)が初期の調査で、オミクロン株によるワクチン接種完了者に対する影響は緩やかとの結果を発表したため上昇に転じた。引けにかけて上げ幅を拡大した。VIX指数は21.58から18.69へ低下した。
★NY外国為替市場:11月米CPIがほぼ予想通りで米債買いドル売りで反応
ドル/円は、バイデン米大統領は9日、『10日発表の11月米消費者物価指数(CPI)は、ここ最近のエネルギー価格の下落を反映しないだろう』などと発言した。予想よりも強い結果を警戒して全般ドル買いが先行すると、一時113.79円と日通し高値を付けた。ただ、前日の高値113.81円がレジスタンスとして意識されると失速した。注目の11月米CPIがほぼ予想通りの内容だったことが分かると、『高めの数字』を期待した向きもあっただけに、マーケットは米債買い(金利は低下)・ドル売りで反応した。前日の安値113.27円を下抜けて一時113.19円まで値を下げた。もっとも、引けにかけては下げ渋る展開になった。一目均衡表雲の上限113.31円や転換線113.24円がサポートとして意識されたほか、米長期金利が低下幅を縮めたことなどが相場を下支えした。
ユーロ/ドルは、欧州序盤に一時1.1265ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。米CPIをきっかけに米長期金利の低下とドル安が進み、一時1.1324ドルと日通し高値を付けた。週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入った。なお、バイデン米大統領はこの日、米CPIが前年同月比で約39年ぶりの高水準となったことを受けて、『国内のインフレ率はピークに達した可能性が高く、大半の人々が考えているより急速に変化するだろう』との声明を発表した。
★NY原油先物市場は反発:米国株高を意識した買い
NY原油先物は70.32ドル-72.33ドルのレンジ相場となった。11月の米消費者物価指数(CPI)が1982年以来の高水準となったことで、原油先物は一時72ドル前半まで上昇した。為替市場でドル安になったことも、ドルで取引される原油先物に割安感となり、買い支えとなった。もっとも、週末を前に利食いの売りも入ったことで、徐々に上げ幅を削った。アジア市場の序盤で70.32ドルまで売られたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の序盤にかけて72.33ドルまで戻した。その後70.93ドルまで反落する場面があったが、米国株高を意識した買いが観測されており、通常取引終了後の時間外取引で72.12ドルまで戻している。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比4基増加の471基となった。
★NY金先物市場は反発:インフレヘッジ目的とドル安から買い優勢
NY金先物市場は1770.40-1791.00ドルのレンジ相場となった。11月の米消費者物価指数(CPI)が発表されると、米金利が低下し、ドルが弱含んだ。ドルで取引される金先物は、ドル安の割安感もあり反発して引けた。なお、米CPIは約39年ぶりの高水準となり、インフレヘッジとしての金先物を買う市場参加者もいたとの声も聞こえた。ロンドン市場の序盤にかけて1770.40ドルまで下落したが、ユーロ安が一服したことから、ニューヨーク市場で1791.00ドルまで反発した。米国株式の反発を意識して上げ渋ったが、通常取引終了後の時間外取引でも1780ドル台を維持した。
★米国債券市場は上昇:過度なインフレへの懸念後退で買い優勢
米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)0.65%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い1.48%で終了した。11月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で約39年ぶりの高い伸びとなったが、ほぼ市場予想通りの結果となったことから、過度なインフレへの懸念が後退して債券買いにつながった。
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