FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:急騰後の利益確定売りが上値を抑える

NYダウは35.32ドル高の35754.75ドル、ナスダックは100.07ポイント高の15786.99ポイントで取引を終了した。製薬会社のファイザ―とバイオのバイオンテックが試験の暫定結果として、同社製ワクチンの3回目の投与でオミクロン変異株に効力がある可能性を指摘したため投資家心理が改善し、寄り付き後は上昇した。ハイテクの買いも引き続き強く相場を支えた。直近2日間で1000ドル超上昇しただけに、目先の利益を確定する目的の売りが相場の上値を抑えた。もっとも、ワクチン期待で引けにかけては再び強含んだ。VIX指数は21.89から19.90へ低下した。

 

NY外国為替市場:オミクロン株に対する警戒感後退で円売り

ユーロ/ドルは、米ファイザーと独ビオンテックは共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、3回目の接種で変異型『オミクロン株』に対しても高い効果があることが確認されたと発表した。『オミクロン株』に対する警戒感が一段と和らぎ、リスク・先行のユーロ買い・ドル売りが広がった。ユーロ/円やユーロ/ポンドの上昇につれた買いも入り、一時1.1355ドルと日通し高値を更新した。一方、ユーロ/ポンドは一時0.8600ポンドと10月1日以来の高値を付けた。英政府が『オミクロン株』の感染拡大を抑えるため行動規制をふたたび強化する可能性が高まり、ポンド売りが出た面もあった。 

 

ドル/円は、『オミクロン株』に対する警戒感が和らぎ、投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが広がった。米10年債利回りが1.5349%前後まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時113.95円まで値を上げた。ただ、一目均衡表転換線113.95円や基準線114.03円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利が上昇幅を縮めたことも相場の重石となった。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:強弱材料のなかやや買い優勢

NYダウ先物は70.91ドル-73.00ドルのレンジ相場となった。米ファイザーと独ビオンテックは、共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、3回目の接種で変異型『オミクロン株』に対しても高い効果があることが確認されたと発表。市場はリスク選好に傾き前日比で弱含んでいた原油先物に買いが入った。しかし、米エネルギー省(EIA)が発表した原油在庫が市場予想よりも小幅な取り崩しに留まると売りに押される局面もあり、方向感のない動きになった。引けは小幅に続伸して引けた。ロンドン市場で70.91ドルまで下げたが、需給ひっ迫の思惑は消えていないため、ニューヨーク市場で73.00ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では72ドル台で推移している。

 

NY金先物市場は小幅続伸:引けにかけて買い戻しの動き

NY金先物市場は1780.10-1794.30ドルのレンジ相場となった。堅調に推移していた金先物だったが、米ファイザーと独ビオンテックは共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、3回目の接種で変異型『オミクロン株』に対しても高い効果があることが確認されたと発表されると、安全資産とされる金先物に売りが入った。もっとも、引けにかけては徐々に下げ幅を縮め、小幅に続伸して引けた。ロンドン市場で1794.30ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて1780.10ドルまで反落した。米国株式が下げ渋ったことで金先物はやや伸び悩んだが、通常取引終了後の時間外取引で1787.80ドルまで戻している。

 

米国債券市場はまちまち:景気悪化懸念の後退で売り優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは横ばいだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.68%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.52%で終了した。新型コロナウイルスの変異型『オミクロン株』のまん延が景気悪化につながるとの懸念が和らぎ、安全資産とされる米国債に売りが出た。10年債入札が『米国債への需要の底堅さを示した』として買いが入る場面もあったが、反応は限られた。 

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