FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米金融緩和の早期縮小観測後退で買い優勢

NYダウは153.60ドル高の35084.53ドル、ナスダックは15.69ポイント高の14778.27ポイントで取引を終了した。前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を受けて、金融緩和の早期縮小観測が後退し買いが広がった。前日までに売られていた景気敏感株が買い直されたほか、原油先物価格の上昇を背景にエネルギー株も堅調だった。第2四半期GDPが2四半期連続で6%台の成長を記録したほか、企業の好決算も手伝い、終日堅調推移となった。VIX指数は18.31から17.70へ低下した。

 

NY外国為替市場:弱い米経済指標受け全般ドル売り優勢

ドル/円は、4-6月期米国内総生産(GDP)速報値が前期比年率6.5%増と予想の8.5%増を下回ったほか、前週分の米新規失業保険申請件数が40.0万件と予想の38.0万件より弱い内容となったことで全般ドル売りが先行した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前日にテーパリング議論を慎重に進める姿勢を示したことから、この日もドルが売られやすい地合いとなり、一時109.39円と日通し安値を更新した。20日の安値109.33円や一目均衡表雲の下限が位置する109.30円がサポートとして意識された面もあるが、戻りは鈍かった。 

 

ユーロ/ドルは、低調な米経済指標の結果が伝わると、全般ドル安が進行した。緩和的な米金融政策が長期化するとの見方が広がる中、一時1.1893ドルと日通し高値を更新した。ただ、1.19ドルの大台には届かなった。低調な米7年債入札などを受けて、米長期金利が上昇傾向を維持したことなどが上値を抑えた。 

 

メキシコペソ/円は上値が重かった。米国株高に加えて、原油先物価格の上昇を背景に産油国通貨とされるペソには買いが先行し、本日高値となる5.54円まで値を上げた。ただ、米格付け会社ムーディーズがメキシコ政府による国営石油会社ペメックスへの巨額支援を懸念する中、『同国のヨリオ財務次官がペメックスへの支援を継続する意向を示した』と伝わると失速した。ドル/円の下落につれた売りも出て、一時5.51円付近まで下押しした。

 

NY原油先物市場は大幅続伸:株高とドル安を好感した買い優勢

NY原油先物市場は72.26ドル-73.68ドルのレンジ相場となった。前日の米エネルギー省(EIA)週間在庫統計で旺盛なエネルギー需要が確認されており、本日も買い優勢のまま推移した。アジア市場で72.26ドルまで下げた後、ロンドン市場で73ドル台に上昇した。この日発表された米国の4-6月期国内総生産(GDP)は市場予想を下回ったが、米国株式はしっかりとした値動きを見せており、ドル安の相場展開となったことから、原油先物の上げ幅は時間外取引で拡大した。

 

NY金先物市場は大幅上昇:米4-6月期GDPが予想を下回ると一段高

NY金先物市場は1810.90-1837.50ドルのレンジ相場となった。前日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が金融緩和の継続姿勢を示し、金利がつかない金にとっては買い材料と受け止められた。為替相場でドル安が進行したことも、ドル建て金価格に割安感を生じさせて押し上げ要因となった。ロンドン市場で強い動きを見せていたが、この日発表された米国の4-6月期国内総生(GDP)は市場予想を下回り、金先物は一段高となった。

 

米国債券市場はまちまち:米国株と不調な米7年債入札受け売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは横ばいとなり、米2年債国債利回りは前日比変わらずの0.20%だった。長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)となり、米10年債利回りは前日比0.04%高い(価格は下落)1.27%で終了した。米国株相場の上昇を受けて、相対的に安全資産とされる米国債には売りが出た。米7年債入札が『低調』と受け止められたことも相場の重石となった。 

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