FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:リスク回避材料多く終日軟調地合い

NYダウは85.79ドル安の35058.52ドル、ナスダックは180.13ポイント安の14660.58ポイントで取引は終了した。6月耐久財受注速報値が予想を下回ったことが回復への懸念に繋がり、寄り付き後は下落した。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)がワクチン接種完了者も一部の地域で室内でのマスク着用を推奨する方針に転じると報じられ、新型コロナ・デルタ株流行への警戒感も重石となった。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)結果発表を明日に控えた調整と見られる売りも目立ち、終日軟調推移となった。決算を控えた主要ハイテク株も売られた。中国政府による規制強化の影響を巡る懸念から中国株相場が大幅に続落したことも投資家心理の悪化につながり、一時260ドル超下落する場面があった。ただ、『シューマー米民主党・上院院内総務が超党派のインフラ法案の上院通過について楽観的な見通しを示した』と伝わると、下げ幅を縮めた。VIX指数は17.58から19.36へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の円買い・ドル売り優勢

ドル/円は、中国政府による規制強化の影響を巡る懸念から中国や欧州の株式相場が下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが先行した。6月米耐久財受注額が予想を下回り、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.22%台まで低下したことも相場の重石となり、一時109.59円と日通し安値を付けた。NYダウが一時260ドル超下落し、日経平均先物が大証終値比560円安の2万7350円まで売られたこともドル/円の重荷になった。ただ、売り一巡後は下げ渋った。シューマー米民主党・上院院内総務が超党派のインフラ法案の上院通過について楽観的な見通しを示すと米国株相場が下げ幅を縮めたため、ドル/円にも買い戻しが入った。

 

ユーロ/ドルは、予想を下回る米経済指標や米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行した。ポンド/ドルの上昇につれたユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.1841ドルと日通し高値を付けた。なお、ポンド/ドルは一時本日高値となる1.3894ドルまで値を上げた。月末が近づく中、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けたポンド買いのフローが観測された。 

 

NY原油先物市場は続落:欧米株安を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は71.08ドル-72.33ドルのレンジ相場となった。NY序盤は72ドル台に乗せる場面もあったが、米株が下げ幅を広げるとリスク資産でもある原油も71ドル前半まで上値を切り下げた。急落した天然ガスに引きずられた面もあった。アジア市場で72.33ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の後半にかけて71.08ドルまで反落した。欧米株安を嫌気した売りが入った。ただ、通常取引終了後の時間外取引では71.99ドルまで戻しており、需給ひっ迫の思惑は残されている。

 

NY金先物市場は横ばい:軟調な銀やプラチナが重石

NY金先物市場は1792.80-1805.40ドルのレンジ相場となった。米国株への売りが一時強まったことで、安全資産とされる金の下値は堅かった。為替相場でドル安が進んだこともドル建て金先物の支えになった。もっとも、軟調な銀やプラチナが重石となり上値の伸びも限られた。アジア市場で1792.80ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1805.40ドルまで戻した。米長期金利の低下を意識した買いが入ったが、通常取引終了後の時間外取引では1800ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場は上昇:世界経済の先行き懸念から買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは横ばいとなり、米2年債利回りは前営業日と変わらずの0.20%、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)となり、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.24%で終了した。中国や欧米の株式相場の下落を受けて、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。新型コロナウイルスのインド型(デルタ株)の感染拡大で、世界経済の先行き懸念が強まったことも相場の支援材料になった。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ