FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:インフレ高進への警戒感から利益確定売り

NYダウは107.39ドル安の34888.79ドル、ナスダックは55.59ポイント安の14677.65ポイントで取引を終了した。6月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったため、インフレ高進への警戒感から寄り付き後は下落した。史上最高値付近からの利益確定売りなども目立ち、終日軟調に推移した。航空機のボーイングはこの日、中型機『787』の機体の一部に改修が必要な構造問題が見つかったと発表。米連邦航空局(FAA)と協議し、改修作業のため一時的に生産ペースを引き下げるとした。同社株が4%超下落し、1銘柄でダウ平均を63ドル程度押し下げた。取引開始前に4-6月期決算を発表したゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースも1%超下げた。VIX指数は16.17から17.12へ上昇した。

 

NY外国為替市場:低調な米30年債入札受け金利上昇でドル買い

ドル/円は、時間外の米10年債利回りが小幅に低下したことが相場の重しとなり、一時110.15円と日通し安値を付けたものの、6月米消費者物価指数(CPI)が予想を大きく上回る内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となり、一時110.56円まで値を上げた。その後、米長期金利が低下に転じると一時110.29円付近まで下押ししたものの、『低調』な米30年債入札を受けて米10年債利回りが1.42%台へ戻すと、全般ドル買いが活発化。3時過ぎには一時110.65円と日通し高値を付けている。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するデイリー米サンフランシスコ連銀総裁は『物価上昇は一時的なものとして見ている』『テーパリングについて議論するのは適切』『年末か来年早々のテーパリングに向けて状況が整う』などと述べた一方、利上げについては『議論するのは時期尚早』との考えを示したが、相場の反応は限られた。 

 

ユーロ/ドルは、予想を上回る米CPIを受けて全般ドル買いが先行すると一時1.1792ドルまで値を下げたものの、米長期金利が低下に転じると一転買い戻しが優勢になり、1.1833ドル付近まで下げ渋った。ただ、低調な米国債入札を受けて米長期金利が再び上昇すると改めてユーロ売り・ドル買いが優勢に。5時前に一時1.1772ドルと日通し安値を付けた。

 

南アフリカランドはこの日も売りが継続した。同国内での暴動が拡大する中、対円で一時7.49円と4月13日以来3カ月ぶりの安値を付けたほか、対ドルでは一時14.7583ランドと4月1日以来約3カ月半ぶりの安値を更新した。同国では、法廷侮辱罪の有罪判決を受けて収監されたズマ前大統領の解放を求める抗議デモに端を発した暴動で、13日までに少なくとも757人が逮捕され、45人の死亡が確認された。市場関係者からは『少数白人支配が終わって以降、最悪とも言える暴動』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は反発:原油在庫の取り崩し継続の思惑から買い

NY原油先物市場は73.70ドル-75.25ドルのレンジ相場となった。明日の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫の発表を前に、原油在庫の取り崩しが継続するとの思惑から買い戻しが進んだ。ただ、OPECプラスの生産量調整に関する協調の乱れなどへの警戒感が、上昇力を限定した。 

 

NY金先物市場は反発:米金利上昇とドル高を受け上昇幅は縮小

NY金先物市場は1798.70-1818.00ドルのレンジ相場となった。米国株の反落を受け、安全資産とされる金を買う動きが優勢となった。ただ、米金利上昇によるドル高を受け、ドル建て金価格に割高感が生じたことが下押しを誘った。金利を生まない資産である金の優位性を後退させたことも重しとなり、上昇幅を縮小した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1818.00ドルまで買われたが、6月消費者物価指数は市場予想を上回ったことを受けて、1798.70ドルまで反落。その後、1816.00ドルまで戻したが、インフレ進行を警戒した戻り売りが観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に1810ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:不調な米30年債入札結果受け売り優勢

米国市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)0.26%、米10年債利回りは前営業日比0.06%高い1.42%で終了した。6月米消費者物価指数(CPI)が予想を大きく上回る内容だったことが分かると債券売りが先行したものの、特定品目の価格が急騰した影響が大きく『インフレ加速が長期化するとの懸念は強まらなかった』として、その後は買い戻しが優勢となった。ただ、NY午後に実施された米30年債の入札が低調だったことが伝わると一転売りが膨らんだ。 

 

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