FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:FOMC議事要旨でタカ派色強まらず買い優勢

NYダウは104.42ドル高の34681.79ドル、ナスダックは1.42ポイント高の14665.06ポイントで取引を終了した。景気回復の頭打ち感が台頭し、10年債利回りが4カ月ぶり低水準となると、警戒感から寄り付き後は下落した。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)が公表する6月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨待ちで、調整色が強まる中、押し目買いに上昇に転じた。議事要旨では特に警戒されていたようなタカ派色が強まらなかったため安心感が広がり買いが継続した。長期金利の低下でハイテク株の買いも続き、ナスダック総合指数は連日史上最高値を更新して終了した。VIX指数は16.44から16.30へ低下した。

 

NY外国為替市場:米FOMC議事要旨では売買材料にならず

ユーロ/ドルは、WTI原油先物価格が一時3%超下落すると、ドルが対資源国通貨中心に上昇した。ユーロに対してもドル買いが優勢となり、節目の1.1800ドルを下抜けて一時1.1782ドルと4月5日以来約3カ月ぶりの安値を付けた。欧州時間発表の5月独鉱工業生産が予想を下回り、欧州経済の先行き不透明感が広がったことも相場の重石になった。その後の戻りも1.1820ドル付近にとどまった。なお、欧州中央銀行(ECB)は金融政策の戦略見直しの結果を明日8日20時に公表すると発表した。21時30分にはラガルドECB総裁が会見を行う。一部報道では『ECBは新たなインフレ目標を2%に設定することで合意した』『新たなインフレ目標のオーバーシュートを受け入れる』と伝わった。 

 

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.2946%前後と2月19日以来の低水準を付けたことが相場の重石となり、一時110.50円付近まで下押ししたものの、対資源国通貨中心にドル高が進むと対円でもドル買い戻しが優勢になり、一時110.81円付近まで持ち直した。ただ、欧州時間に付けた日通し高値110.82円には届かなかった。6月15日-16日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では『テーパリング開始の基準に向けた進展が続くと予想』『経済活動と雇用指標が強まった』『インフレに対するリスクが上向きに傾いていると判断』としながらも、『実質的なさらなる進展の基準は、まだ満たされていない』『資産購入計画の変更を発表するのに忍耐強くあるべき』『経済見通しへのリスクは残っている』との見解が示された。議事要旨公表後にやや弱含む場面もあったが、反応は一時的だった。 

 

NY原油先物市場は3日続落:OPECプラスの増産案を巡る混乱を嫌気

NY原油先物市場は71.07ドル-74.86ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)プラスの増産案を巡り、主要国サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の間で意見が割れている。原油相場は両国の対立を懸念した混乱が続いた。時間外では6日の反動で大きく買い戻されたが、NY勢の本格参入後からは再び売り優勢になった。協調減産体制が揺らぐとの警戒感も重しとなり、一時71ドル手前まで売り込まれた。もっとも、サウジとUAEの緊張緩和のためにロシアが調整に動いていると伝わると、原油先物は下げ幅を縮小して終えた。ロンドン市場の中盤にかけて74.86ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて71.07ドルまで反落した。 

 

NY金先物市場は5日続伸:米長期金利の低下を好感

NY金先物市場は1794.10-1810.10ドルのレンジ相場となった。米長期金利が低下幅を広げ、金利が付かない金の価値が相対的に高まったことで買いが先行した。その後、為替相場でドルがユーロに対し約3カ月ぶりの水準まで上昇すると、割高感が出たドル建て金先物は弱含む場面もあった。もっとも1800ドル割れでは買い意欲も強く、ドル高が一服すると金先物も下値を切り上げた。アジア市場で1794.10ドルまで下げた後は反転した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1810.20ドルまで買われた。ただ、その後は伸び悩み、1797.00ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1800ドルをやや上回る水準で推移した。

 

米国債券市場の長期ゾーンは4日続伸:長期債の空売り買い戻しが優勢

米国債券市場で中期ゾーンは変わらず、長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比変わらず0.216%、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.32%で終了した。『米景気回復がピークアウトしつつある』との見方が広がる中、債券買いが優勢となった。市場では『空売りの持ち高を積み上げていた投資家の買い戻しが見られた』との指摘もあり、利回りは一時1.2946%前後と2月19日以来の低水準を付けた。

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