FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米欧の貿易戦争回避でリスク選好の動き

NYダウは172.16ドル高の25414.10、ナスダックは91.47ポイント高の7932.24で取引を終了した。一部の主要企業決算が嫌気されてNYダウが下落するなど、寄り付き後からもみ合う展開となった。米欧首脳会談の結果を見極めたいとの思惑が広がるも、主要決算発表への期待から小幅上昇した。米欧首脳会談の通商協議を巡る先行き不透明感から130ドル近く下げたが、次第に下げ渋りプラス圏に浮上した。引け間際に『トランプ米大統領、貿易戦争回避のため欧州の譲歩を確保』などと伝わると190ドル超高まで急伸した。また、ナスダックはほぼ2週間ぶりに過去最高値を更新した。VIX指数は12.41から12.29へ低下した。

 

NY外国為替市場:米欧貿易戦争回避でもドル戻りは限定的

ドル/円は、米政府顧問の話として『今年、自動車関税発動の可能性がある』『米政府は外国製自動車2000億ドル相当に25%の関税を課す』と伝わり、110.80円台まで売りが先行した。23日安値の110.75円に一旦下値を支えられたが、『日銀は30-31日の金融政策決定会合で年6兆円買っている上場投資信託(ETF)の購入配分の見直しを検討する』と報じられるとドル売りが再開し、一時110.67円まで弱含んだ。もっとも、『トランプ米大統領、貿易戦争回避のため欧州の譲歩を確保』『トランプ米大統領とユンケル欧州委員長は貿易緊張の緩和で合意』などと伝わると、NYダウや米長期金利の一転上昇とともに111.09円まで買い戻された。ユーロ・ドルは、 米自動車関税絡みの報道を嫌気して1.1712ドルから1.1664ドルまで下げ足を速めたが、一巡すると下げ渋った。米欧の貿易戦争が回避される見通しとなると昨日高値の1.1717を上抜け、1.1739ドルまで上値を伸ばした。なお、トランプ米大統領はユンケル欧州委員長との共同記者会見で『我々はゼロ関税に向けて取り組むことで合意』などと語った。 

 

NY原油先物市場は続伸:市場予想以上の原油とガソリン在庫減少

NY原油先物市場は一時69.70ドルまで買われた。米エネルギー省が発表した週間在庫で、原油在庫とガソリン在庫の減少幅が市場予想を上回ったことで、需給ひっ迫に対する警戒感が浮上し買いが優勢となった。

 

NY金先物市場は反発:米欧の貿易戦争に対する警戒感から買い先行

NY金先物市場は一時1234.30ドルまで買われた。関税引き下げなどの貿易障壁を取り除くことを巡って米国と欧州連合の対立が深まるとの懸念が消えていないことから、リスク回避的な金買いが優勢となった。しかし、トランプ大統領が米国と欧州は関税ゼロに向けて努力することで合意したと伝わると時間外取引で金は上げ渋る展開となった。

 

米国債券市場は下落:貿易緊張緩和で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前日比0.02%高い(価格は下落)2.97%とこの日の最高水準で終了した。弱い米住宅指標を受けて買いが先行したものの、米欧首脳会談の内容が伝わると貿易摩擦への懸念が後退したことを受け売りが優勢となった。トランプ大統領とユンケル欧州委員長はこの日の会談で貿易緊張の緩和で合意した。

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