FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:重要イベント控え方向感のない展開

NYダウは3.36ドル高の33984.93ドル、ナスダックは48.56ポイント安の14090.21ポイントで取引を終了した。バイデン大統領が今週予定している議会演説でインフラ・社会保障に加え法人税、所得税などの税率引き上げの詳細が発表される見込みで、警戒感から寄り付き後は下落した。その後、発表された4月の消費者信頼感指数がパンデミック以前の水準を回復したため、回復期待を受けた買いが再燃し、上昇に転じた。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に大きな方向感は出ず、結局前日比横ばい圏で取引を終えた。引け後に予定されているマイクロソフトやアルファベットなど主力ハイテク企業の決算を前に利食い売りなどが出た。米長期金利が上昇したことで高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが出た面もあった。VIX指数は17.64から17.56へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル底堅い展開

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.62%台まで上昇したことを受けて円売り・ドル買いが進行した。4月米消費者信頼感指数が121.7と予想の112.1を上回り、1年2カ月ぶりの高水準を付けたことも相場の支援材料となり、一時108.77円と19日以来の高値を付けた。

 

ユーロ/ドルは、小反発した。終値は1.2091ドルと前営業日NY終値(1.2086ドル)と比べて0.0005ドル程度のユーロ高水準だった。欧州序盤に一時1.2057ドルと日通し安値を付けたあとは買い戻しが優勢となり、取引終了間際に1.2093ドルと日通し高値を付けた。もっとも、NY市場に限れば狭いレンジ取引に終始した。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表やバイデン米大統領の増税案に関する演説など重要イベントを控えて、大きな方向感は出なかった。NY時間の値幅は0.0024ドル程度と比較的小さい。 

 

NY原油先物市場は反発:原油重要増大期待から買い優勢

NY原油先物市場は61.91ドル-63.30ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国で構成する『OPECプラス』の会合で、今月1日合意した5月以降に産油量を段階的に増やし、協調減産を徐々に緩和していく方針を維持するとの見方が強まり、思惑的な買いが入った。アジア市場で61.91ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の序盤にかけて62ドル台後半まで戻した。ただ、原油需要増大の可能性は消えていないことから、通常取引終了後の時間外取引で63.30ドルまで買われた。

 

NY金先物市場は小反落:米長期金利の上昇を意識した売り

NY金先物市場は1773.90-1785.90ドルのレンジ相場となった。翌日に米連邦公開市場委員会(FOMC)やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見及びバイデン米大統領の演説を控え、様子見ムードが強く、動意に欠ける動きとなった。アジア市場で1773.90ドルまで下げたが、押し目買いが入ったことで金先物は反転した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1785.90ドルまで買われた。ただ、米長期金利の上昇を意識した売りが観測されており、時間外取引で1775.00ドルまで下げる場面があった。

 

米国債券市場は3日続落:イベント前のポジション調整の売り

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.62%で終了した。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に持ち高調整の売りが優勢となった。なお、7年債入札については『無難』との見方が多かった。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ