FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

NY株式市場は上昇:良好な米経済指標を受け買い優勢

NYダウは227.59ドル高の34043.49ドル、ナスダックは198.40ポイント高の14016.81ポイントで取引を終了した。『バイデン米政権は富裕層を対象にキャピタルゲイン課税を引き上げる方針』との前日の報道をきっかけとした売りが一巡した。市場では『増税の影響が相場に与える影響は限定的』との見方も広がり、前日売り込まれたハイテク株中心に買い戻しが入った。この日発表の4月PMIや3月新築住宅販売件数が予想を上回ったため強い回復への期待が再燃し、上昇に転じた。潜在的な増税も、対象者数が非常に少数であることや詳細が不明で、実施もまだ先になるとの見方も支援し、引けにかけて上げ幅を拡大した。NYダウは一時340ドル超上昇する場面があった。VIX指数は18.71から17.33へ低下した。

 

NY外国為替市場:引けにかけリスク選好のドル売り優勢

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の仏・独・ユーロ圏PMI速報値が総じて良好な内容だったことからユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.2076ドルまで値を上げた。ただ、20日の高値1.2080ドルがレジスタンスとして意識されるといったんは伸び悩んだ。堅調な米経済指標を受けて米長期金利が上昇に転じたこともユーロ売り・ドル買いを促し、一時1.2046ドル付近まで上げ幅を縮めた。もっとも、安く始まったNYダウが持ち直し、一時340ドル超上昇するとリスク選好のドル売りが優勢になり、一時1.2100ドルと3月3日以来の高値を付けた。

 

ドル/円は、対ユーロ中心にドル安が進んだ流れに沿って円買い・ドル売りが先行し、一時107.48円と3月4日以来の安値を付けた。ただ、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.58%台まで上昇すると買い戻しが優勢になった。4月米製造業・サービス部門PMI速報値が良好な内容となったほか、3月米新築住宅販売件数が予想を大幅に上回ったこともドル買い戻しを促し、一時108.15円と日通し高値を更新した。もっとも、108円台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。米10年債利回りが1.55%台まで上昇幅を縮めたことも相場の重石になった。 

 

オセアニア通貨は堅調だった。米国株相場が底堅く推移するとリスクセンチメントに敏感な豪ドルやNZドルに買いが入った。豪ドル/米ドルは一時本日高値となる0.7760米ドル、豪ドル円は83.75円まで値を上げたほか、NZドル/米ドルは0.7203米ドル、NZドル/円は77.73円と日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は続伸:経済回復期待の再燃から買い優勢

NY原油先物市場は61.25ドル-62.43ドルのレンジ相場となった。欧米PMIが軒並み強い結果となったことが、新型コロナウイルス感染再拡大による経済回復の停滞やエネルギー需要後退への懸念を緩和した。週末の取引フローを買い方向へ傾かせた。ニューヨーク市場の序盤にかけて61.25ドルまで下落したが、米国株高を意識した買いが入っており、一時62.43ドルまで上昇。しかしながら、原油需要増大の思惑は後退しており、一時61.60ドルまで反落した。 米国の石油掘削装置(リグ)の稼働数は円週末比1基減少の343基になった。

 

NY金先物市場は小幅続落:欧米の景気回復期待から売り優勢

NY金先物市場は1769.60-1796.30ドルのレンジ相場となった。欧米のPMI速報値が軒並み強い結果となり、安全資産とされる金の購入意欲が後退した。米金利に底打ちの兆しがあり、金利がつかない資産である金の上値を圧迫した。金利の動向を受けてドルが底堅く推移したことも、資産としての金の相対的な価値低下や、ドル建て相場の割高感につながり、金相場を重くした。バイデン米大統領が提案している富裕層に対するキャピタルゲイン税の税率引き上げの影響を見極める必要があることから、金先物は一時1769.50ドルまで下落した。その後、1779.00ドルまで戻したが、上値の重さが残った。

 

米国債券市場は反落:良好な米経済指標受け売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.56%で終了した。良好な米経済指標が相次いだことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。米国株相場の上昇も相場の重石になった。

 

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