FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:行き過ぎの株高に対する利益確定売り優勢

NYダウは256.33ドル安の33821.30ドル、ナスダックは128.50ポイント安の13786.27ポイントで取引を終了した。新興国中心に世界の新型コロナウイルス感染者数の増加基調が続いていることから、世界景気の回復を期待した最近の上昇は行き過ぎとの見方が強まり利益確定の売りが広がった。また、来週に決算発表を控える主力ハイテク株も持ち高調整の売りに押され、指数の押し下げ要因となった。終日軟調に推移し、引けにかけて下げ幅を拡大した。VIX指数は17.29から18.68へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避のドル買い・円買い

ユーロ/ドルは、欧州で新型コロナウイルスワクチン接種が加速するとの見方から、経済正常化を期待したユーロ買いが入り、欧州市場では一時1.2080ドルと3月3日以来の高値を付ける場面があった。ただNY市場に入ると、世界の新型コロナ新規感染者が過去最多になったことなどが嫌気されて、NYダウが一時390ドル超下落した。日経平均先物も大証終値比630円安の2万8510円まで下げるなど、株価が軟調に推移した。為替市場ではリスク回避のドル買いが優勢となり、一時1.2023ドルと日通し安値を付けた。なお、世界保健機関(WHO)の集計によると、世界で過去1週間(12-18日)に報告された新型コロナ新規感染者は約522万人に上り、過去最多となった。

 

ドル/円は、 アジア時間に一時107.97円まで売り込まれた反動でショートカバーが入ると、欧州市場では一時本日高値となる108.55円まで値を戻す場面があった。ただ、NY市場に入ると米国株相場や日経平均先物の下落に伴って円高傾向が強まったため、ドル/円にも売りが出た。米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.5554%前後まで低下したことも相場の重石となり、一時108.01円付近まで下押しした。 

 

オセアニア通貨は軟調だった。欧米株価の下落でリスクセンチメントに敏感な豪ドルやNZドルには売りが出た。豪ドル/米ドルは一時本日安値となる0.7709米ドル、豪ドル/円は83.36円まで値を下げたほか、NZドル/米ドルは0.7165米ドル、NZドル/円は77.47円と日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は反落:感染拡大による経済低迷の懸念で売り

NY原油先物市場は61.49ドル-64.38ドルのレンジ相場となった。リビアが原油輸出を一部停止したことによる買いは強まらず。アジアほか新興国の新型コロナウイルス感染拡大による経済低迷の懸念が再燃し、エネルギー需要停滞の不安を高めた。ロンドン市場の序盤にかけて64.38ドルまで買われたが、インドなどにおける新型コロナウイルスの感染再拡大を嫌気した売りが活発となり、ニューヨーク市場の序盤にかけて61.49ドルまで反落した。ただ、押し目買いも観測されており、62.73ドルまで戻す場面もあった。

 

NY金先物市場は小幅高:米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1763.50-1780.80ドルのレンジ相場となった。昨日は米長期金利の持ち直しを受け、金利を生まない資産の金は売られたが、本日は米10年債利回りが1.55%台まで下押ししたことで、金利低下を支えに金相場は戻した。米国株安もリスク回避資産とされる金の買いを促した。

 

米国債券市場は3営業日ぶりに反発:リスク回避の債券買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.55%で終了した。世界で新型コロナウイルス新規感染者数が増加基調にあることから、株価が軟調に推移すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ