FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:金融緩和の長期化観測高まり買い優勢

NYダウは57.31ドル高の33503.57ドル、ナスダックは140.47ポイント高の13829.31ポイントで取引を終了した。週次の失業保険申請件数が2週連続で増加したため強い回復期待が後退し、寄り付き後は下落した。米長期金利が低下したことで、ハイテクなど高PER(株価収益率)株に買いが入った。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の『回復が不完全』と経済に慎重な姿勢発言を受けて、FRBによる金融緩和の長期化観測が高まったことも相場を押し上げた。引けにかけてNYダウは上昇に転じた。VIX指数は17.16から16.95へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の低下で全般ドル弱含み

ユーロ/ドルは、一時1.1862ドル付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.1861ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢になった。米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.61%台まで低下したこともユーロ買い・ドル売りを誘った。一旦は前日の高値1.1915ドルに上値を抑えられる場面もあったが、同水準を上抜けるとストップロス注文を誘発し、上昇に弾みがつき一時1.1927ドルと3月23日以来の高値を更新した。ユーロ/ポンドの上昇につれたユーロ買い・ドル売りも入った。ユーロ/ポンドは一時0.8681ポンドと3月1日以来の高値を付けた。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季会合のセミナーに参加し『ワクチン接種や金融政策、財政政策で米景気見通しはより明るい』『回復の不均一は深刻な問題』などと発言した。また、『米景気回復はまだ不完全でFRBは目標に向けた具体的な進展を探している』と述べた。

 

ドル/円は、米長期金利の低下をきっかけに円買い・ドル売りが先行した。前日の安値109.58円を下抜けると一時109.00円付近まで下げ足を速めた。前週分の米新規失業保険申請件数が74.4万件と予想の68.0万件より弱い内容となったことも相場の重石となった。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げて109.32円付近まで下げ渋った。IMFの運営方針を決める国際通貨金融委員会(IMFC)は声明を発表し、『世界経済は新型コロナウイルス危機から予想以上の速さで回復しているものの、回復の見通しはなお極めて不確実で、金利の急上昇は特に新興国への打撃になりかねない』との認識を示した。

 

NY原油先物市場は小反落:60ドル近辺では戻り売り

NY原油先物市場は58.82ドル-59.93ドルのレンジ相場となった。ロシアの産油量が4月に増加していることや、米・イランの交渉再開による経済制裁の解除への思惑も原油相場の重石となり、売りが優勢となった。ただ、為替相場でのドル安・ユーロ高でドル建ての原油に割安感が強まったことで買いも入り、下押しは限られた。60ドル近辺で戻り売りの興味が観測され、ニューヨーク市場の序盤にかけて58.82ドルまで下げ幅は拡大した。しかしながら、ユーロの反発や米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで下げ幅は縮小した。通常取引終了後の時間外取引で59.93ドルまで戻した。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1733.60-1759.40ドルのレンジ相場となった。米低金利政策の長期化観測が強まる中、金は買いが先行した。米長期金利の低下に伴いドル売り・ユーロ買いが進み、ドル建ての金に割安感が生じたことも、金の買いを後押しした。アジア市場の序盤で1733.60ドルまで下落したが、米長期金利の低下を意識した買いが入り、ニューヨーク市場の序盤にかけて1759.40ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引では利食い売りが観測されたが、1750ドル台を維持しており、底堅い値動きを見せている。 

 

米国債券市場は反発:米金融緩和の長期化観測を好感

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.62%で終了した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことで債券買いが広がった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けて、米金融緩和の長期化観測が高まったことも相場の支援材料になった。

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