FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:経済活動再開への期待の再燃で買い優勢

NYダウは199.42ドル高の32619.48ドル、ナスダックは15.79ポイント高の12977.68ポイントで取引を終了した。欧州での新型コロナウイルス感染拡大への懸念から売りが先行した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米公共ラジオ放送NPRのインタビューで、国債など資産購入について『我々の目標に向けて大幅な進展がみられたら購入額を徐々に縮小する』などと発言すると、市場では『量的緩和の縮小を検討し始めた』と受け止められ、一時340ドル超下落した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。バイデン米大統領が『就任100日までに米国内で2億回の新型コロナワクチン接種を目指す』と述べると、感染拡大が抑えられるとの期待から景気敏感株に買いが集まり、一時250ドル超上げた。ただ、ハイテク株は7年債入札結果が前回に続き低調にとどまり長期金利が上昇に転じたため小幅高にとどまった。VIX指数は21.20から19.81へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で総じてドル底堅い展開

ユーロ/ドルは、欧州での新型コロナウイルス感染拡大への懸念からユーロ売りが出やすい中、バリアオプションが設定されていた1.1800ドルを下抜けると一時1.1762ドルと昨年11月12日以来約4カ月ぶりの安値を付けた。市場では『23日に200日移動平均線という重要なサポートレベルを下抜けたことから、テクニカル的にも売りが出やすい』との指摘があった。米10年債利回りが上昇に転じたことや、ユーロ/ポンドの下落も相場の重石となった。

 


ユーロ/ポンドは一時0.8563ポンドまでユーロ安・ポンド高が進んだ。月末・四半期末に向けたユーロ売り・ポンド買いのフローが観測されたほか、新型コロナワクチン普及が進む英国と、逆にワクチン普及の遅れが目立つ欧州連合(EU)を意識した売りが出た。

 

ドル/円は、一時は1.5875%前後まで低下した米10年債利回りが上昇に転じると円売り・ドル買いが優勢となった。低調と受け止められた7年債入札後に米長期金利が上昇幅を広げると円売り・ドル買いが活発化し、一時109.23円まで上値を伸ばした。

 

NY原油先物市場は大幅反落:供給不安緩和で売り優勢

NY原油先物市場は57.44ドル-60.86ドルのレンジ相場となった。昨日の急騰要因とされた『エジプトのスエズ運河で大型コンテナ船が座礁し、航路がふさがれている』件がそれほど需給の歪みに繋がらないとの見方が浮上し、一気に売り戻しが進んだ。滞留している石油タンカーの大半は欧州向けであり、同地域はコロナ禍でエネルギー需要が高まっておらず、供給が多少遅れても問題ないとされた。来週には石油輸出国機構(OPEC)プラス会合が控えていることも持ち高調整の売りを強め、一時57ドル半ばまで下落して昨日の上げ幅をほぼ吐き出す場面があった。アジア市場で60ドルを下回り、ニューヨーク市場の中盤にかけて57.44ドルまで一段安となった。

 

NY金先物市場は反落:ユーロ安や米国株高を嫌気した売り

NY金先物市場は1720.30-1744.80ドルのレンジ相場となった。NY朝方は軟調な株式市場を眺めながら、安全資産とされる金に買いが集まる場面があった。もっとも、為替市場でドル高が対ユーロなどで進むとドル建ての金先物は割高感から売り戻しが優勢となり、そのまま上値重く引けた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1744.80ドルまで買われたが、ユーロ安や米国株高を意識した売りが観測されており、1720.30ドルまで反落した。時間外取引で1730.20ドルまで戻したが、金先物の上値は重いままだった。

 

米国債券市場は反落:米国株高と低調な入札結果を嫌気した売り

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.63%で終了した。米国株相場の持ち直しに伴う売りが出たほか、低調な7年債入札が相場の重石となった。

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