FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米経済の正常化が進むとの見方から買い優勢

NYダウは293.05ドル高の32778.64ドル、ナスダックは78.81ポイント安の13319.86ポイントで終了した。米追加経済対策が成立したことで、景気回復が勢いづくとの期待から幅広い銘柄に買いが入った。また、バイデン大統領は11日夜の演説で5月1日までにワクチン接種の対象を全成人に拡大すると発言したことで、新型コロナウイルスのワクチン普及が加速し、経済の正常化が進むとの見方も強まった。なお、米国でのワクチン接種は1億回を超えた。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。景気の回復期待に米長期金利の上昇を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株への売りが優勢だった。VIX指数は21.91から20.69へ低下した。

 

NY外国為替市場:NY市場ではポジション調整で109円を挟むもみ合い

ドル/円は、欧州市場では一時109.17円まで買われる場面もあったが、NY市場に入ると週末を控えたポジション調整目的の売買に終始したため、109.00円を挟んだもみ合いになった。注目されていた2月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%/前年同月比2.8%と概ね予想通りの結果となったほか、PPIコア指数も前月比0.2%/前年同月比2.6%とほぼ予想通りの結果となったため、相場への影響は限られた。 

 

欧州序盤に一時1.1910ドルと日通し安値を付けたものの、NY市場では週末を控えた持ち高調整目的の買いが入り1.1960ドル付近まで値を戻した。ユーロ/ポンドの上昇につれたユーロ買い・ドル売りも入った。米10年債利回りが一時1.6405%前後と昨年2月以来約1年1カ月ぶりの高水準を付けたことへの反応は鈍かった。

 

カナダドルは堅調だった。対米ドルでは一時1.2462カナダドルと18年2月以来約3年1カ月ぶりの高値を付けたほか、対円では87.49円と18年10月以来約2年5カ月ぶりの高値を更新した。カナダ統計局が発表した2月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が25.92万人増と予想の7.50万人増を大幅に上回ったほか、失業率が8.2%と予想の9.2%より強い数字となったことを受けてカナダドル買いが広がった。

 

NY原油先物市場は反落:米長期金利の上昇を警戒した売り優勢

NY原油先物市場は65.41ドル-66.24ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)月報の弱い需要予測を受けて警戒感が浮上した。米追加経済支援策による景気回復を背景とした先高への期待はあるが、コロナ関連の行動規制による需要低迷が先行する恐れがくすぶっている。 アジア市場で65.41ドルまで下げた後、ロンドン市場で66.24ドルまで戻したが、ニューヨーク市場では米長期金利の上昇を警戒した売りが増えたことで66.19ドルから一時65.44ドルまで下落した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比1基減少の309基になった。

 

NY金先物市場は弱含み:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1696.60-1726.10ドルのレンジ相場となった。米金利上昇により、金利を生まない資産である金は売られやすかった。米株の底堅さが、安全資産とされる金の購入意欲を後退させた面もあった。アジア市場で1726.10ドルまで買われたが、米長期金利の上昇を警戒してロンドン市場で1696.60ドルまで下落した。ニューヨーク市場でも長期金利の上昇やドル高を嫌気した売りが観測されたが、押し目買いも観測されており、通常取引終了後の時間外取引で1724.00ドルまで戻した。 

 

米国債券市場は続落:景気回復が早まるとの見方から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)1.62%で終了した。米追加経済対策の成立と新型コロナウイルスのワクチン普及で、景気回復が早まるとの見方から相対的に安全資産とされる米国債には売りが広がった。10年債利回りは一時1.6405%前後と昨年2月以来約1年1カ月ぶりの高水準を付けた。 

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