FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント」!

米国株式市場は下落:米金融当局間の対立など先行き不透明感を嫌気

NYダウは219.75ドル安の29263.48ドル、ナスダックは49.75ポイント安の11854.97ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスの感染者数増加で行動制限を強化する動きが広がる中、米経済が停滞するとの懸念から売りが広がった。ムニューシン米財務長官は前日夕、米連邦準備理事会(FRB)と共同で立ち上げた新型コロナに対応するための緊急支援プログラムの一部を期限となる12月31日以降は延長しない方針を決定した。一方、FRBは緊急支援プログラムの一部打ち切りに反対した。米金融当局間の対立など政策運営の先行き不透明感が高まり、投資家心理が悪化した。しかし、 新型コロナワクチンの年内実用化への期待が下値を支えた。VIX指数は22.99から23.70へ上昇した。

 

NY外国為替市場:手掛かり材料に欠け方向感のない展開

ドル/円は、本日は米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、相場は方向感が出なかった。今日1日の値幅は21銭程度で、NY時間に限れば16銭程度と非常に小さかった。なお、エバンス米シカゴ連銀総裁は新型コロナウイルス対策として導入された緊急支援プログラムの一部をムニューシン米財務長官が年内で打ち切ると判断したことについて『失望した』と表明した。一方、ムニューシン米財務長官は『中小企業が必要としているのは融資ではなく返済義務のない補助金だ』などと述べ、緊急支援プログラムの一部打ち切りに理解を求めた。株式市場では財務省と米連邦準備理事会(FRB)の関係が不安視されて下落要因となったが、為替市場では目立った反応は見られなかった。 

 

ユーロ/ドルは、一時1.1878ドル付近まで買い戻される場面もあったが、アジア時間に付けた日通し高値1.1891ドルを前に買いの勢いは後退した。ユーロクロスの下落につれた売りが出たほか、NYダウが一時250ドル超下落したことを受けて、リスク回避のドル買いが入ると1.1850ドルと日通し安値を付けた。なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は『景気回復のためには、断固たる措置が必要』などと述べたが、目立った反応は見られなかった。

 

NY原油先物市場は反発:下値の堅さを確認すると買い優勢

NY原油先物市場は41.61ドル-42.48ドルのレンジ相場となった。NY朝方に41ドル半ばまで弱含む場面はあったが、下値の堅さを確認すると買いが優勢となった。新型コロナウイルスのワクチン実用化への期待感、石油輸出国機構(OPEC)プラスの減産延長観測などが依然として相場の支えとなった。また、エネルギーサービス会社ベーカー・ヒューズが発表した米国内石油・天然ガス掘削リグ稼働数は前週比5基減少の231基となり、10週ぶりに減少したことも上昇を後押しした。 

 

NY金先物市場は4日ぶりに反発:換金目的の売りが一巡

NY金先物市場は1859.10-1879.20ドルのレンジ相場となった。9月下旬から下支えられている1850ドル前後が昨日もサポートとして働き、週末を控えて買い戻しが先行した。新型コロナ対策で導入された緊急支援制度を巡り、ムニューシン米財務長官と米連邦準備理事会(FRB)の対立姿勢が表面化したことも、安全資産の金に資金を向かわせる要因となった。ただ為替相場ではNY昼前からドルが対ユーロなどで買い戻されたことで、ドル建ての金先物は伸び悩む場面があった。換金目的の売りは一巡しており、ニューヨーク市場の中盤にかけて1879.20ドルまで買われた。米国株式の軟調地合いを意識した買いが入った。

 

米国債券市場は続伸:米国株の下落でリスク回避の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.82%で終了した。米国株相場の下落を背景に、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。

 

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