FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は大幅続落:米中の景気後退懸念が強まり売り優勢

NYダウは653.67ドル安の32245.70ドル、ナスダックは521.41ポイント安の11623.25ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策の正常化を目指し緩和解除を開始したため、投資家によるリスク資産を軽減する動きが続き、寄り付き後は下落した。中国のコロナによる都市封鎖も継続しサプライチェーン混乱も継続、加えて、FRBの急速な利上げにより景気後退入りへの懸念も強まり、引けにかけては下げ幅を拡大した。市場では『マージンコール(追い証)を迫られた個人投資家や投機筋による売りが出た』との声も聞かれ、NYダウは一時770ドル超下落した。VIX指数は30.19から34.75へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株の大幅続落でリスク回避の円買い

ドル/円は、アジア時間に一時131.35円と2002年4月以来約20年1カ月ぶりの高値を付けたものの、欧米市場に入ると利食い売りなどが優勢となり、一時130.06円と日通し安値を付けた。一時は3.2006%前後と18年11月以来の高水準を付けた米10年債利回りが3.02%台まで急低下したことも相場の重石となった。米国株相場の大幅続落を受けてリスク回避の円買いが強まった影響も受けた。

 

ユーロ/ドルは、ウクライナへの侵攻を続けるロシアの首都モスクワではこの日、対ドイツ戦勝記念日の式典が行われ、プーチン露大統領が演説を行ったものの、注目されていた『戦争宣言』がなかったためユーロを買い戻す動きが広がり、一時1.0517ドル付近まで下押しする場面もあった。しかし、アジア時間に付けた日通し安値1.0495ドルがサポートとして働くと再び強含む展開になり、1.0593ドルと日通し高値を更新した。ユーロ/豪ドルやユーロ/NZドルなどユーロクロスの上昇につれた買いも入った。

 

米国株安に加えて、原油など商品相場の下落を背景に資源国通貨が軟調に推移した。豪ドル/米ドルは一時0.6945米ドル、NZドル/米ドルは0.6320米ドルまで下落したほか、米ドル/カナダドルは1.3016カナダドルまで上昇した。また、豪ドル/円は90.46円、NZ/ドル円は82.34円、カナダドル/円は100.08円と日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに大幅反落:世界経済の減速懸念高まり売り優勢

NY原油先物市場は102.13ドル-110.49ドルのレンジ相場となった。欧州連合(EU)のロシア産原油禁輸方針を受けて先週後半に3日続伸した反動で週明けは利益確定売りが先行した。また、中国では上海市のロックダウン(都市封鎖)が長期化するなどコロナ対策による景気減速で、エネルギー需要見通しに対する懸念が高まっていることが嫌気された。アジア市場の序盤で110.49ドルをつけたが、その後は下げる展開。供給不安は消えていないものの、世界経済の減速懸念が強まり、売りが優勢となった。ニューヨーク市場の中盤以降に下げ幅は拡大し、通常取引終了後の時間外取引で株安を意識して102.13ドルまで一段安となった。 

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:上値の重さが意識され換金目的の売り

NY金先物市場は1851.00-1885.60ドルのレンジ相場となった。テクニカル的に心理的節目の1900ドル近辺での上値の重さが確認され、利益確定の売りが優勢となった。金利の先高感が強いことも、金利を生まない金の売りを後押しした。アジア市場の序盤で1885.60ドルまで買われた後は下げる展開。米長期金利の低下や株安は支援材料にはならなかった。ニューヨーク市場では換金目的の売りが優勢となり、通常取引終了後の時間外取引で1851.00ドルまで一段安となった。

 

米国債券市場は反発:米国株相場が大幅下落するとリスク回避の買い戻し

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.10%低い(価格は上昇)2.60%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%低い3.03%で終了した。インフレ抑制のため米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進めるとの見方から、時間外取引では債券売りが優勢となった。利回りは一時3.2006%前後と2018年11月以来の高水準を付ける場面があった。ただ、米国株相場が大幅に下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。 

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